なぜ僕は、東大を辞めたのか(前編)

あまたの事業を成功させてきた男、堀江貴文。実現できたのは、莫大な資金や、特殊な才能があったからではありません。ただ、好きなことに没頭してきたからです。あえてレールから外れよ。3歳児の気持ちで、のめり込め。常識とか世間体なんか、「ぜんぶ無視だ」。堀江流「生き方改革」として、「自分の人生を取り戻す」ための、41の行動スキルを解説します。3月11日発売の新著『非常識に生きる』より特別公開します。

望みどおりの人生を過ごすには、学歴や肩書き、お金や仲間の存在は、それほど重要ではない。
無用でもないけれど、役立ち度は限られている。本当に役立つのは、常識を乗り越えていく、非常識な行動だ。

常識というものを守っていれば、いいことがあるの?

僕は決して、非常識な人間ではない。
きわめて普通の、常識をわきまえた大人だと、思っている。
ビジネスでもプライベートでも、他人との約束を破ったりしない。
ミーティングや商談の時間には遅刻しないよう、スケジュールを組んでいる。
プロジェクトで借りたお金は必ず返すし、イベントなどに来てくれたお客さんには、最大限のサービスを心がける。

誰かに対して反論したいときは、本人にきちんと正面からぶつける
知らないことは「知りません」と、恥ずかしがらずに答えるし、スタッフや仕事の仲間への指示は明確に、正しく伝わるよう、言葉に気をつけている。
いたって、常識的な人間じゃないだろうか?
常識を持った大人でありたいとか、他人に迷惑かけたくないとか、そんなつもりは全然ない。当たり前のことを、ただ当たり前にやっているだけだ。

会食の席や仕事の紹介などで、初対面の人にしばしば言われる。
「堀江さんって、もっと怖い人かと思っていました」
「すぐ怒ったり、破天荒のイメージがありました」
「堀江さんは、意外と話しやすくて、常識人なんですね」
など......どれだけ僕は、非常識な人間だと誤解されているんだろうか。

20年近く前に、マスコミやメディアに勝手につくられた、「生意気な成金」「体制への反逆者」の印象が、根強く残っているようだ。困ったものだ。
勝手な思いこみで会う前から他人の人格を決めつけるのは、やめてもらいたい。それこそ失礼というものだ。

もちろん温厚篤実で、怒りや文句を押し殺すような、我慢強い人間ではない。言いたいことは言うし、相手とか場の空気を読まないで、怒るときは怒りまくる。
例えば取材の席や、著名人との対談の場で、まったく的外れな質問が来たり、「それいまさら聞く?」みたいな質問が投げかけられたら、イラッとすることもある。あまりにも分別のない質問には、話を遮ってでも注意する。

僕は仕事で対面させてもらう相手のことは、調べられれば最低限、事前に調べておく。相手の情報が入っていれば、対話のレベルは上がるし、時間も有益に使えるだろう。事前に下調べするのは、僕には常識的なことなのだが、それをまったくしないで、ビジネスの場に臨んでくる人は、けっこう多くいる。
ネットで検索すればすぐ出てくるようなことを、わざわざ訊くな!と言いたい
下調べや準備など、誰にでもできることだ。
インタビューで変な質問をされて怒ったり、話がつまらなくなってスマホを触り出す僕を、非常識だという人もいるけれど、まるでわかっていない。
当たり前の作業を怠って、他人に密度の低い時間を強いる人こそ、非常識だと思っている。

僕はビジネスマンとしては長年、非常識だと言われてきた。自分では、その自覚がない。


先に述べたように僕は僕の常識に則って、何の問題もなく生きている。
逆に、周りのスピード感のなさや、思考の足りなさ、理不尽な対応に、非常識だなぁと呆れることが多かった。
昔は僕に「もっと常識をわきまえなさい」と偉そうに言う大人が何人もいたけれど、理解できなかった。常識というものを守っていれば、いいことがあるの?
世間一般で言われる、常識というものから逸脱している(らしい)僕のやり方とかスタイルは、間違っているの?
問いの答えは、どちらも「ノー」だ。

世間の常識なんか、気にしないで、好きにやってきた方が断然、実利がよかった。ビジネスはうまくいったし、お金も、優秀な仲間も、可愛い恋人もできた。目的を達成するために、世間の常識に従って、いい結果になった試しは、一度もない。
ビジネスでは誰の意見にも、圧力にも負けずにやってきた
成果を得る勝負では、苦しいときもあったけれど、基本的には勝ってきた。
世間の常識に折られないで、僕のなかの揺るがない常識を、ひたすら貫いてきた。それを非常識だというなら結構。非常識は、常識を突破して思うままの人生を手にした人間が獲得できる、誇りある称号だ。

僕が最初にとった、非常識と言われる行動は、東大を辞めたことだろう。
1991年、現役で東大に合格して、福岡の八女市から上京した。日本の最高学府に入れば、面白い人がたくさんいると思ったけれど、事実は違っていた。周りは就職する会社のブランドを気にしている同級生ばかり。東大に入っただけで満足して、知的情報を取りに行ったり、自分で何か行動するような人は、ほとんどいなかった。僕はがっかりして、麻雀と競馬に明け暮れる学生生活だった。

だが、大学4年のときのアルバイトをきっかけに、ITの世界に触れた。たちまちインターネットのつくりだす未来像に、魅了された。
Web空間は、スマートだった。
百科事典や新聞とは桁が違う、全世界の情報がパソコンの画面に集まる。知の集積にアクセスできるだけではない。コミュニケーション、ショッピング、金融などあらゆるシステムが、オンラインで深くつながっていた

インターネットでの仕事は、処理スピードが段違いに速い。ミスも素早く修正できる。トライアンドエラーの回数をいくらでも増やせ、そのぶん成功確率を高めていくことができた。加えて、少ない人手で仕事が回せる。大企業のような組織でなくても、大企業に匹敵するサイズの大きなプロジェクトを、僕たちのような若者だけでこなせるのだ。

「みんな一緒」の正義を疑え! レールから外れる41の行動スキルを伝授!

非常識に生きる

堀江 貴文
小学館集英社プロダクション
2021-03-11

この連載について

非常識に生きる

堀江貴文

あまたの事業を成功させてきた男、堀江貴文。実現できたのは、莫大な資金や、特殊な才能があったからではない。 ただ、好きなことに「没頭」してきたからだ! あえてレールから外れよ。 3歳児の気持ちで、のめり込め。 常識とか世間体なんか、ぜん...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

koba82memo 「僕の人生を生きるのは、僕自身なのだ。」 ② ①(前編) https://t.co/2IuXG7vdYF / cakes 非常識に生きる/堀江貴文@takapon_jp 6ヶ月前 replyretweetfavorite

koba82memo 早速、この本を読んでみる。 6ヶ月前 replyretweetfavorite

koba82memo 早速、読んでみる。 6ヶ月前 replyretweetfavorite

take5wales007 「ノイズを入れる」日々、意識したいと思いました。共感する内容が多かったです。爪切りの会話も面白かったです。 @takapon_jp https://t.co/aYkE1iUYAL 6ヶ月前 replyretweetfavorite