衝撃! 住めない街#8】インフラ更新費は年9兆円 まずは公共施設の削減を

日々、あふれる経済ニュース。じっと眼をこらすと、そこには挑戦や成功、葛藤や挫折があります。この連載では、週刊東洋経済に掲載された記事からcakes読者にお読みいただきたいテーマをピックアップしてお届けします。

※この記事の情報は、『週刊東洋経済』2020年9月17日発売当時のものです。

今後のあるべき姿とは …
インフラ更新費は年9兆円 まずは公共施設の削減を

東洋大学 経済学部教授・根本祐二
慶応大学 経済学部教授・土居丈朗

 老朽化したインフラの更新に必要となる額が日本全体で年間約9兆円になると試算する根本祐二氏。財政の専門家である土居丈朗氏と、日本のインフラの今後とあるべき姿について対談した。

【根本】 インフラ老朽化が財政に与える影響を把握したいという自治体からの要望を受け、私はある計算方法を編み出した。自治体が保有している学校・庁舎といった公共施設や、道路・橋梁といった土木インフラについて、必要な更新額を試算するものだ。

 計算式でいうと「物理量 × 更新単価 ÷ 耐用年数」。物理量は公共施設の面積や道路の距離など。更新単価と耐用年数は総務省の情報を基に設定した。こうして更新費用を計算し、日本全体で集計すると9・17兆円になった。

 耐用年数が経過したからといってすぐ更新しなくてもよいが、耐用年数到来以前に機能不全に陥るインフラもあるので、ここでは耐用年数ごとに更新すると仮定した。

 しかもこれが毎年かかる。この試算は今後50年を考えたものだが、51年目には老朽化している。そのとき同様の計算が必要になる。つまり今の公共施設や土木インフラをすべて維持しようとしたら、未来永劫、更新費用だけで毎年約9兆円かかる。現在の更新費は不明だが、国土交通白書などから推計すると約2兆円。差し引き7兆円が今後の負担増になるとみられる。

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