衝撃! 住めない街#5】首都直下地震への備えは不十分

日々、あふれる経済ニュース。じっと眼をこらすと、そこには挑戦や成功、葛藤や挫折があります。この連載では、週刊東洋経済に掲載された記事からcakes読者にお読みいただきたいテーマをピックアップしてお届けします。

※この記事の情報は、『週刊東洋経済』2020年1月27日発売当時のものです。

【地震】進まない用地買収と耐震化
首都直下地震への備えは不十分

フリーライター・漆原次郎

 いつ起きてもおかしくない首都直下地震。

 死者2万3000人、負傷者12万3000人、帰宅困難者800万人 ──。

 首都直下でマグニチュード7クラスの地震が起きたときの首都圏での最大被害想定だ。内閣府の中央防災会議が東日本大震災を受けて、2013年に最終報告としてまとめた。この巨大地震が発生する確率は「今後30年間で70%程度」と予測されている。

 首都圏で最も被害想定が大きいのは東京都だ。都は、地震に関する地域危険度を開示している。都内5177町丁目について、建物倒壊危険度、火災危険度、災害時活動困難度の3つの視点で評価、それらを組み合わせた総合危険度をおおむね5年に1度公表している。最新第8回の調査結果は2018年3月に示された。

 危険度の高いランク5、4、3が多いのは山手通り(環状6号線)と環状8号線の間。とくに東京北東部に多くある「木密」と呼ばれる木造住宅密集地域とほぼ重なっている。木密でひとたび火災が起きれば、広域に延焼していくのは想像にかたくない。実際、1995年の阪神・淡路大震災では、木密の多かった神戸市長田区で約52万4000平方メートルの床面積が焼失した。地震による被害を抑えるには、木密での火災を防ぐことが欠かせない。

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