病気、仕事、人間関係……、突然の災難に、心が折れそうになることがあります。思い通りにならないことは、苦しい。誰だって嫌なものです。
ある四〇代の女性は、原因不明の不調に苦しんでいました。お医者さんにかかっても、それが精神的なものなのか、未知の病なのかもはっきりしなかったそうです。「家族に対して申し訳ない」「もう死んでしまいたい」と、私に苦しみを打ち明けてくれました。
物事には必ず原因があり、それが結果として現れます。これを仏教では「因果(いんが)」と呼びます。結果が望ましくないとすれば、当然、原因を究明しなければなりません。
病気なら、まずは病院に行って原因を究明することが大事です。仕事や人間関係でも、人の話を聞いたり情報を調べたりして、問題点を絞り込んでいくべきというのは、言うまでもありません。
しかし、彼女のように、その原因も解決策もまったくわからなかったら?
私の尊敬する良寛(りょうかん)さんというお坊さんの言葉に、次のようなものがあります。
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