前回のコラムでは、美浜南小学校のPTAが、全校の保護者に一斉に連絡を配信できるメールシステムを使って「ワークショップ大会」の企画を立ち上げ、ブログやfacebookで大会の様子を精力的にリポートした結果、学内の関係者からだんだんと学外にもその認知が広がってきたという話をしました。
とはいえ、昨年は実のところ、私自身も大会を無事に成功させることで頭がいっぱいでした。しかし2回目の今年は、大会運営にも余裕が出てきたので、「インバウンドマーケティング」をもう少し進化させるために頭を使いました。ネットでの情報発信だけでなく「パブリック・リレーションズ」、すなわち対マスメディアの「広報」も展開したのです。
PTAとしても、大会の概要が決定した5月頃から今年の出典企画を募集したり、7月には各ワークショップの内容を紹介する校内ポスターをブログにも掲載したりして「前打ち」情報の拡散は行っていました。この結果、今年のワークショップ大会には、朝日新聞と地域のケーブルテレビ局(JCOM浦安)の広報番組から取材が入ったのです。
マスメディアも「コンテンツ」があれば寄ってくる
JCOM浦安は、5年生の職業体験実習でも小学校とつながりがあるため、教頭先生からのお声がけで取材に来てくださったのですが、朝日新聞からのコンタクトは正直まったく予期していませんでした。
取材に来てくださった記者の方に聞いたところ、昨年から私が書いていたこのコラムを読んでくださっており、ワークショップ大会の取り組みもそこで知ったとのことでした。こちらもやはり、地道な情報発信がいつか実を結ぶということなのかなと思った次第です。
朝日新聞は、ウェブの記事(9/29)とYouTubeの「朝日新聞チャンネル」への動画、そして本紙千葉版のトップ記事(10/3)と、3回にわたって大会の記事を掲載してくれました。また、JCOM浦安も、市の広報番組の中で5分近くにわたってワークショップ大会の様子と私へのインタビューなどをリポートしてくれました。
朝日新聞の記事は、ウェブや紙面にPTAのページへのURLリンクまで貼ってくださったにもかかわらず、ウェブへのアクセスを増やす効果はあまり大きくありませんでした。しかし、市役所や学校にとって「新聞に載った」というのは、facebookで何百件も「いいね」されることよりもはるかに大きなインパクトがあったようです。マスメディアの機能が、こうした「実社会の権威筋に対する影響力・説得力の裏付け」であるとするならば、その中でも一般的に最も権威があるとされている朝日新聞に取り上げてもらえたことは、本当にラッキーだったと言うべきです。
マーケティングは大成功! 新1年生が大幅増
さて、この「ワークショップ大会」とそれを徹底的に学校の情報発信につなげていくという取り組みが、「小学校への入学者数を増やす」というインバウンドマーケティングの目的にどのくらい効果があったと思われますか?
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