​偉人伝の呪いと人生のスタートライン

今回の「ワイングラスのむこう側」は、林伸次さんが幼いころにかかったという「偉人伝の呪い」についてです。自分は何者かになれる、という感覚はどのように昇華させればいいのでしょうか。

図書館でかかった偉人伝の呪い

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

自分自身が親になってから、「親の気持ち」とか「あの時のあの親の行動はそういう意味だったんだ」って気がつくことってありますよね。僕、小さいころ、一人で何時間も図書館で過ごすことがよくあったんですね。それ、自分で「図書館に行きたい」って親に言ったはずがなく、どうしてだったんだろうと思ってたら、後になって判明しました。

僕の両親は共働きで、休日も仕事の日が多くて、僕は祖母の家に預けられるのはもちろん、親の友達の家でしばらくなんてこともありました。そんな中、僕の両親の親友がその図書館で働いていたんです。だから「うちの伸次を2時間だけ、図書館に」なんて感じで預けられて、図書館で待っていたようなんです。

図書館ではいろんな本を読んだのですが、とくにハマったのが「偉人の伝記もの」でした。エジソンとか野口英世とか、そういうのを何度も何度も読み返しました。今になって思うのですが、あの「偉人の伝記」を読むことによって、「自分もいつかなにものかにならなくてはいけないのではないか」という呪いにかかったような気がするんです。

みんなこの世の中に生まれてくるには、何か理由があって、この世の中のみんなそれぞれに特別な才能があって、僕も何かやり残さなくてはいけないのでは、という呪いです。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

本連載の書籍化、第二弾です。

ケイクス

この連載について

初回を読む
ワイングラスのむこう側

林伸次

東京・渋谷で16年、カウンターの向こうからバーに集う人たちの姿を見つめてきた、ワインバー「bar bossa(バールボッサ)」の店主・林伸次さん。バーを舞台に交差する人間模様。バーだから漏らしてしまう本音。ずっとカウンターに立ち続けて...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

mochimurasaki 林さんの文章好きだなぁ 8ヶ月前 replyretweetfavorite

restart20141201 "でも人生って、「自分ってそんなに才能はないんだな」って気づいてからが「スタートライン」です。" |林伸次 @bar_bossa |ワイングラスのむこう側 https://t.co/TRflG1IY5F 8ヶ月前 replyretweetfavorite

Orange__People 偉人伝の呪いと人生のスタートライン|林伸次 @bar_bossa |ワイングラスのむこう側 https://t.co/I75ZB6uphr 8ヶ月前 replyretweetfavorite

darling00000000 偉人伝の呪いと人生のスタートライン|林伸次 @bar_bossa | 呪われてるけど、気持ちもほんとなんだよなあ 8ヶ月前 replyretweetfavorite