サクちゃんへ
こんにちは。
京都では2度目の緊急事態宣言が出されてからずいぶん経ちました。気軽に遠出ができていた頃がずいぶん前のようです。これまで特に旅行好きというわけではなかったのですが、コロナになってからそれらがとても懐かしく感じます。
きのう『TIMELESS 石岡瑛子とその時代』という本が届きました。このあいだ東京でも展覧会が開かれ大盛況だったという有名なデザイナーですが、その本のプロローグを読んで猛烈に旅に出たくなりました。エネルギッシュな彼女がニューヨークでインタビューを受けるシーンが冒頭だったからかな。42歳のころに彼女は「日本での仕事に見切りをつけて渡米」したそうですが、そのときの世界の広がり方ってどんな感じだったのかなと思います。
旅行をすると、自分の中の窓という窓が開かれ、ふわっと浮き上がって飛んでいくような感じがありませんか?
これまでとどまっていたところを離れ、そこを見下ろしながら、なんて小さなところで縮こまっていたのだろうと驚くような。
わたしは今、猛烈にそれを欲しているようです。
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前回は、「作る」ことについてやりとりしましたね。
サクちゃんは日記の中で星野源さんの『フィルム』の歌詞を引用してくれていました。わたしもあの曲は大好き。特にサクちゃんが引用してくれた、
「どんなことも 消えない小さな痛みも 雲の上で笑って観られるように どうせなら作れ作れ 目の前の景色を」
この部分、とても好きです。
先日、星野さんが新曲を出しましたね。タイトルはまさに『創造』。
「何か創り出そうぜ 非常識の提案 誰もいない場所から直接に 独(いち)を創り出そうぜ そうさYELLOW MAGIC 色褪せぬ遊びを繰り返して」
星野さんは「作る」という行為を心から信じているのだろうなと思いました。そしてわたしもそれを信じていいのだと励まされたような。
「作る」ことは「自分を知る」ことだと前々回わたしは書きました。だから、「作る」を信じるということは、「自分」を信じるということでもあるんだろうなと、この曲を聴きながら思います。
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