小学校で「インバウンド・マーケティング」をやってみた vol.4

紆余曲折ありながらもPTA主導によるメール連絡システムの導入に成功した川上慎市郎PTA会長。このメール連絡システムは、緊急時の連絡網としてだけではなく、新1年生を学校に呼び込む施策にも役立ちました! なかでも特に成功したのがワークショップ大会。その実現に、メールシステムがどう効果を発揮したのでしょうか。カギは「ソーシャルメディアでの拡散」でした。

前回、PTAが主導してメールによる連絡システムを小学校に導入した話をしました。インバウンドマーケティングとは一見何の関係もなさそうに見えるこの施策ですが、実はその後のさまざまな局面において、PTAが自由に使える保護者向けメール配信システムがあることが、非常に重要な役回りを果たすことになりました。

その最も大きな成果の1つが、昨年9月に初めて開催した「ワークショップ大会」です。ワークショップ大会の狙いや内容については、昨年10月の本コラムの記事「小学校のワークショップ大会で見えた、「親が学ぶ」姿勢の大切さ」に詳しく述べましたので、そちらをご覧いただければと思います。

昨年のコラムでは、このイベントはあたかもアイデアを思いついてからすっと実現したかのように書かれていますが、実際はかなり紆余曲折がありました。特に、本部役員のお母さん達の間に手間のかかることは、なるべくやりたくないという強い反発があり、「保護者からワークショップのアイデアを募り、人手が足りなければさらに協力者を募れば良い」という私のアイデアにも、「そんなアイデアを出したり協力を申し出たりする保護者はいない」と反対されました。

メールシステムが実現したワークショップ大会

たしかに、そういう保護者は一般的には「ほとんど」いません。でも、数人ぐらいはいるかもしれない。私は、企画の段階でその「数人」が呼びかけに応じて現れてくれることに期待をかけていました。

通常のPTAや学校の仕組みであれば、この出てくるかどうかも分からない「数人」の存在を前提にイベントを企画するということは、あり得ません。なぜなら、その人を探し出すためのコミュニケーションのコスト(手間)が、あまりにも大きいからです。

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R30::リローデッド

川上慎市郎

グロービス・マネジメント・スクールでマーケティングを教える川上慎市郎さんが、若手ビジネスパーソン向けに、マーケティング、メディア、そして教育について、深くやさしく解説をします。かつて有名ブログ「R30::マーケティング社会時評」を運営...もっと読む

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コメント

KijiKaeko https://t.co/MoxjkD7Pgl 学校の中って、時計の針がとまったような空気が流れている。進めようとすると、ええっ? てくらいの猛反発にあう。でも進めちゃうお父さんの話。カコイイ。 4年以上前 replyretweetfavorite

sadaaki ウェブにすると数字とか人の動きがぜんぶ可視化できるから議論がシンプルになるんですよね。続きが楽しみです。【第30回】 4年以上前 replyretweetfavorite

R30 今回は、2年にわたって開かれた「ワークショップ大会」をどのように企画し、ソーシャルメディアで拡散させたかの裏話です。/【第30回】 4年以上前 replyretweetfavorite