室内サービスではエアラインが一枚上手
JAL・ANAが工夫を凝らす新型機材
航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗
2019年は日本航空(JAL)、全日空(ANA)ともに新型機が続々とデビューし、とくに機内空間に力を入れた年だった。国内線でも各シートにシートモニターを設置する動きが進んでおり、機内での過ごし方にも変化が出てきているほか、すでにシートモニターが搭載されている国際線ではモニターの大型化が進む。さらに新幹線に後れを取っていたシート電源も最新の機内には各座席に搭載されるなど、シート回りの機能が進化しているのだ。もちろんシートについても、長い時間乗っても疲れないシートを積極的に開発するなど、機内の快適性向上に工夫を凝らす。
機内も静かなA350
JALは、同社を代表するフラッグシップ機として、エアバスA350型機を2019年9月から国内線に投入した。将来的には国際線長距離路線向けにも使われる機体であるが、国内線でも機内空間を快適にするべく新シートを導入した。機内での快適性は大きく向上し、全席にシートモニター、シート電源、USBポートが装備され、無料の機内Wi-Fiが地上走行時から利用可能。機内で仕事をしたり、シートモニターでビデオプログラムを楽しんだりできる。
とくに70以上のコンテンツが用意されているビデオプログラムでは国内線でも映画やドラマ、バラエティー番組が楽しめるようになった。番組の途中で飛行機が目的地に到着してしまっても、停止時に画面上に表示される「レジュームコード」と呼ばれる8桁の数字をメモしておくことで、次回のフライトで続きから再生することが可能な機能も備わっている。
また、全クラスが新型シートとなり、ファーストクラスは本革シート、クラスJ(普通席に1000円の追加で利用可能)と普通席は布製シートが採用。全クラスで足元が広く感じられる工夫が施されているのが特徴だ。羽田-福岡線、羽田-新千歳線に投入済みで、2020年には羽田-那覇線でも就航予定だ。
睡眠メインの新シート
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