前編で取り上げた男女間にちょっとしたすれ違いが生じた際、意識してほしいのは心理学でいう「権力闘争」状態に突入しないことである。第2段階から第3段階へ(前編 下段 図3-3参照)は、越えてはいけない一線だ。夫婦間では「自分が上の立場になり楽になりたい」という心理が働き、「現実を理解していない」といった相手を見下す態度に出がちだ。そうなると相手も人格否定のような発言で応酬するため関係修復は困難になってくる。そのためにも、第2段階に突入したときは「対等な関係で」を胸に刻んでおこう。 それでも、話がこじれ第3段階に突入しそうになったら、「本当はどうしてほしいの」と聞いてみよう。「『こうしてほしかった』という話をしだした瞬間から心のモードは、“怒り”から“要求”に切り替わる」(阿妻氏)からだ。この質問はケンカ状態を第1段階へ戻す機能も持っている。
一方でケンカどころか、常に尻に敷かれている男性はどうしたらいいのか。
男女は互いに過不足する性質を補う異性と惹かれ合う傾向があり、前出の交流分析の理論では「共生関係」といわれる。

上図をご覧いただきたい。例えば気弱でコンプレックスの多い自己否定型の男性は、性格のキツイ他者否定型の女性とカップルになりやすい。成人同士の長期間の共生関係は、依存や支配へ発展する好ましくない状態とされる。
この場合、男性は肯定的な感情を持つ必要がある。自己否定的な自我状態から脱するのが共生関係を解消する第一歩だ。
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