ニュースを減らす
テレビでもアプリでも、ニュースはよくできていると思います。わたしたちを「不安にさせる」という点で。
以前はTwitterを中心に情報収集をしつつ、朝昼晩と隙間を見つけてはニュースアプリを読み漁っていました。とにかく情報を拾わないと、誰よりも早くキャッチアップしようと躍起になった時期もありました。
また、毎朝ニュースを見よう、と小学校の時から誰かに言われた気がします。でも、じゃあ「なんで毎日なの?」にちゃんと答えてくれた人はいなかったように思います。みんなそうしているから、そうすべきだから、と誰が言い始めたかも分からない「当たり前」ほど怖いものはありません。まるでバレンタインデーは企業がチョコを売るために作った文化であるといった話のように、ふと言われてみればニュースという身近なコンテンツの必要性にも、どこか奇妙さを感じるのです。
基本的に、メディアというのはスポンサーからお金をもらってコンテンツを運営する広告モデルで成り立っています。スポンサーはたくさんの人に広告を見てもらいたいので、メディア側はいかに多くの人に見てもらうコンテンツを作るかが肝になるのですが、これだけ娯楽に溢れた現代ではやはりインパクトがないとなかなか数字が取れません。よって「今日は天気もよく、交通事故もゼロでした」というニュースは流れないのが現実です。
じゃあ何が中心かというと、ひときわ目を引く痛々しい事件や誰かのミスによる騒動などです。揉(も)める外交、批判を食らう国政、汚職、芸能人の浮気やスキャンダル、児童の死亡事故、殺人、老後のお金、将来なくなる仕事……世間はいつも誰かの不都合であまりに忙しい。そしてとにかく見ておかなきゃ、と不安になるような、正直不快な内容のものが多いのです。朝からこれらを見て、どうやって、前向きに元気に仕事に向かえというのでしょうか。
ドキドキハラハラ、毎日は多すぎる。
端的に言うと、まずは朝のニュースを毎日見るのはやめましょう。毎日見る必要は全くありません。アプリ断ち、メール断ちに続いてニュース断ちです。
もちろん、本当に自分から情報を断ってしまってはさすがに「仙人」と揶揄(やゆ)されるような世間知らずになりかねません。わたしたちも例に漏れず社会の中に暮らしているのだから、最低限の情報はインプットする必要が大いにあります。これはニュースに触れる時間をゼロにしましょうと言った乱暴な話ではなく、メールと同様に「頻度」と「時間」をコントロールすればいいという話です。
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