森喜朗会長は辞めるべき

今回の「ワダアキ考」は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長の森喜朗を取り上げます。「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言し、批判が集まっているこの問題。「とにかくまず、辞めるべき」と言い切る武田砂鉄さんが、この問題を考察します。

とにかくまず、辞めるべき

東京五輪組織委員会の森喜朗会長は辞めるべきだ。この手の女性蔑視が放任されるのは、森個人の問題だけではなく、組織の問題、そして、日本社会全体の問題だとは思うものの、まず、森が辞めるべきだ。万引きは社会全体の問題だからこそ、まずは目の前の万引き犯を捕まえる。森の発言は犯罪ではないが、放任の構図は似ている。「こういう発言をするのは森会長だけではないでしょう」と問うのも重要だが、まずは目の前を問わなければ、森会長に近しい人から投じられる「森さんだけじゃないでしょう」が擁護として機能してしまう。

功績と発言を天秤にかける男性社会

森のことを「余人をもって代えがたい」と擁護したのが自民党・世耕弘成議員だが、余人をもって代えがたいと思っていた存在がこれまでも女性蔑視発言を繰り返してきた存在だったことへの疑念を優先しないのが不可解である。テレビをつけたら、橋下徹・元大阪府知事が森の発言を問題視しながらも、「7年ちょっとにわたってものすごい大変なオリンピックの準備の業務をやって下さっていた。この点については、我々国民は感謝しないといけない」と述べている。

たとえ、森会長を、感謝しなければいけない人と位置付けていたとしても、その位置付けを、女性蔑視発言を薄めたり、打ち消したりする可能性として使用している時点で、擁護としてあまりに軽薄だ。どこで、何十年間、何を一生懸命やっていようが、許される発言ではない。写真家・広河隆一による性暴力が明らかになると、彼に近しいジャーナリストが「実績は否定されるべきではなく、きちんと評価され記録され、記憶されるべきだと私は思う」と述べて、性暴力を薄めようと試みたが、このように、「これまでの功績」と「卑劣な言動」を天秤にかけてどうにかしようとするのが男性社会の特徴である。

「〇〇は△△である」と言い切る
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この連載について

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ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

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365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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