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(カラン、コロン〜♪ カラン、コロン〜♪)
りんだ 「小鳥遊さ〜ん」
小鳥遊 「おや、いらっしゃいませ、りんださん」
りんだ 「最近、小鳥遊さんから教わった『仕事の手順書づくり』を同僚にも勧めているんです」
小鳥遊 「さぞ喜ばれていることでしょうね」
りんだ 「ええ! …ただ、『今日はこれをやったぞ!』という充実感のようなものがもっと欲しいって言われちゃって…」
小鳥遊 「同僚さんに、うまく返せなかったんですね」
りんだ 「そうなんです。『そうだよねぇ…』ぐらいしか言えなくて。なんでもっと役に立つことを言えなかったのかって落ち込んじゃいました」
小鳥遊 「フフフ、りんださん優しいですね。もっとその話を知りたいです。じっくり聞かせていただきますね」
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りんだ 「その同僚には、仕事の手順書を作って管理すればうまく進められるよって伝えたんです。まずは仕事に名前を付けて、手順を書き出して…」
小鳥遊 「それらの手順を誰がやるのかを決めて、仕事とその手順に仮の締切を入れて…」
りんだ 「最後に、一番初めの手順に注目する。これが手順書づくりですよね」
小鳥遊 「おっしゃる通りです」
りんだ 「同僚は、パソコンでデータ管理しているみたいなんです。『一つ一つの手順を終わらせてチェックをつけていっているんだけど、なんかこう…充実感がないんだよな。これが今日やった成果です! バーン! みたいなやつが欲しいなぁ』って言うんですよ」
小鳥遊 「なるほど。たしかに、データで管理して、チェックマークをつけていくだけだったら、ちょっと物足りなくなってしまうかもしれませんね」
りんだ 「そうなんです。目に見えて成果が分かるようなものがあればなと思って…」
小鳥遊 「そんなりんださんには、焼き鳥をご馳走しますね!」
りんだ 「え、いきなりなんですか?」
小鳥遊 「焼き鳥はお嫌いですか?」
りんだ 「いえ…大好きです! 特に手羽先が。...いやそんなことより焼き鳥が何か関係あるんですか?」
小鳥遊 「厳密に言うと、焼き鳥自体ではないんですけどね。まずは召し上がってから続きをお話しましょう」
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あっという間にりんだの目の前に焼き鳥の串が並ぶ。モモ、ムネ、ネギマ、皮、つくねに手羽先、レバー、砂肝…。
りんだ 「ああっ、美味しい〜! ビールが欲しいですー!」
小鳥遊 「もちろんご用意しています」
りんだ 「最高です!」
ビールを飲み、どんどん焼き鳥を食べていくりんだ。
小鳥遊 「フフフ、もしかしてとてもお腹が空いてましたか? 食べ終わった焼き鳥の串の本数がかなりですよ」
りんだ 「おおっ、こんなに私食べたんですね。これだけ食べたら今日のところはこれくらいにしておこうかしら」
小鳥遊 「これだけ食べれば、お腹も気持ちも大満足ですよね」
りんだ 「それで、今日の同僚の話と関連するのって、何ですか? モモですか? レバーですか? いや、もしかしてちょっとひねってビールが関係しているとか?」
小鳥遊 「フフフ、残念ながら全部不正解です。これからご説明しますね」
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