わかる日本書紀

官軍に包囲された強盗・脱税犯、決死の獣化【第21代⑭】

ややこしい日本書紀をわかりやすく紹介した書籍『わかる日本書紀』シリーズ第3巻から、日本の正史を学ぶ連載。今回は第21代、雄略天皇の御代のお話。

呉国(くれのくに)からの使者②

十三年三月、サホビコ(狭穂彦)※1の玄孫・ハタネ(歯田根命)※2が、密かに采女のヤマノベノコシマコ(山辺小島子)※3を犯しました。
天皇はそこで、ハタネを、物部大連に引き渡し、責めさせました。
ハタネは、馬八頭、太刀八振(ふり)で罪を祓(はら)いました※4。そして、歌を歌いました。

山辺(やまのべ)の 小島子(こしまこ)故(ゆゑ)に
人衒(ひとでら)ふ 馬の八匹(やつぎ)は 惜(を)しけくもなし

(※訳:
山辺のコシマコのためなら
人が自慢して見せびらかすような
馬の八頭など惜しくもない)

大連メはそれを聞いて、天皇に報告しました。
天皇は、ハタネに命じて、資財を露わにして、餌香市(えかのいち)※5の近くの橘(たちばな)の根元に置かせ、餌香の長野邑(ながののむら)※6を、物部大連メに与えました。

八月、播磨国(はりまのくに)の御井隈(みいくま)※7の人・アヤシノオマロ(文石小麻呂)※8は、力が強く心根が恐く、思うままに暴れて残虐なふるまいをしました。
道中で追い剝ぎをして通行をさまたげ、また、商人の舟を止めて残らず奪い取り、以前から、国法に違反して租賦(そふ)を納めませんでした※9

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わかる日本書紀

村田右富実 /つだゆみ /村上ナッツ

『日本書紀』は神代から第41代持統天皇の時代までを扱った日本最古の歴史書です。しかし本文は漢文、全30巻と長く読解は難しいため、正史ながら読んだことのある人はほぼいません。そこで、劇作家が書くわかりやすい文章と、親しみやすいキャラクタ...もっと読む

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