氷河期世代の就職難は構造的に生み出された
千葉商科大学 専任講師/働き方評論家・常見陽平
氷河期世代の当事者から上がる声は、なぜ長年にわたって見過ごされてきたのか。今後の彼らへの支援はどうあるべきか。働き方評論家で、千葉商科大学専任講師の常見陽平氏に聞いた。
── そもそも就職氷河期世代、ロストジェネレーション(ロスジェネ)といった言葉が生まれたのはいつ頃ですか。
就職氷河期という言葉のメディアでの初出は、1992年の秋。当時リクルートが発行していた就職情報誌『就職ジャーナル』誌上だった。94年には新語・流行語大賞の「審査員特選造語賞」を受賞した。
ただ氷河期世代にもグラデーションがあり、とりわけ就職が厳しく社会的な問題として認知されるようになったのは受賞から数年後の2000年代初頭だ。リクルートが毎年公表している「大卒求人倍率」が唯一1倍を切ったのは、2000年卒の0・99倍。採用関係者の間ではこの倍率が1・6倍以上だと売り手市場で、それ未満だと買い手市場といわれることからも、この数字の厳しさがわかるだろう。
一時的な不景気ではなく、産業構造が大きく入れ替わり、労使関係の転換も迫られた時期だった。
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