「『逃走中』リタイアしただけで炎上する時代やぞ」
昨年の『M-1グランプリ』、ニューヨークによる、「こんくらいでごちゃごちゃ言ってくるやついねぇよ」「このご時世、なめんなよ。『逃走中』リタイアしただけで炎上する時代やぞ」というやりとりが、やたらと頭に残っている。『逃走中』は、簡略化して言えば壮大な鬼ごっこのような番組で、逃げれば逃げるほど賞金が加算されていく仕組みとなっており、途中でリタイアを表明すれば、その時間までに積み上がった賞金を得ることもできる。捕まっている仲間を助けに行くなど、より勇敢な判断もできるようになっているので、それをしなかった芸能人に対し、SNSで批判が殺到する。
これまでドランクドラゴンの鈴木拓や、E-girlsに在籍していたAmiらがリタイア(番組では「自首」と呼ぶ)で賞金を得たが、そこに向けて真剣に怒れる人がいる、というのは驚きの事実である。「テレビで放送される鬼ごっこで、途中でリタイアしても賞金が出るルール」という、ものすごく特異な環境に対して、マジに怒る人がいる。テレビの中の判断に、私たち(視聴者)の常識を求めていく感じ、これは一体なんなのか。
もし『フレンドパーク』が毎週続いていたら
最近は特番で時たま放送されるだけになってしまったが、『関口宏の東京フレンドパークII』では、出演した芸能人が欲しいものを並べ、ダーツで当たったものをもらえるコーナーがあった。芸能人Aの投じたダーツが、芸能人Bが欲しいものに当たると、そのAが「Bさんに譲りますよ!」と言い、「ホントに? いいの?」とBが喜ぶくだりを頻繁に見かけた。たまに「でも欲しいからもらっちゃおう!」とAが言い張る場合もあり、そこから広がるAとBの小競り合いも、お馴染みの光景だった。
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