うまくいった人のたどってきた道というのは、それぞれ違います。
でも、失敗する人のパターンはほぼ同じ。同じような習慣を持ち、同じようなことをして、同じような坂道を転げ落ちていきます。
家出を繰り返す少女がいます。親からの言葉の暴力や虐待、お金のトラブルが絶えず、なんとか逃れようと家出をして、寂しさや愛情への飢えから恋に落ちる。しかしその相手もまた暴力をふるい、お金にルーズで彼女を困らせる人だったりします。逃れようと家出をしても、また似たような相手とつきあってしまう。珍しい話ではありません。
「同じ失敗を繰り返さない」と言うのは簡単ですが、パターンは強烈です。一度染み込んだら、変えるのはかなり難しい。変わらないなら、捨てる。すべて捨てるしかありません。
仏教に出家という言葉がありますが、出家と家出はまったく違った意味合いを持ちます。「家出」とは、その家から逃れていくこと。「出家」とは、自分の過去の体験、経験、知識、知らず知らずに身につけた習慣など今持っているものを、すべて捨てる覚悟を持つこと。これまでの自分を形づくってきた〝殻〞を破り、本当の自己に目覚めようとすることが出家です。
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