生きていれば、心ない言葉を投げかけられることもあるでしょう。
仕事中に「さっさとしろ、こちらは客だ」という大きな態度を取られることもあります。日頃のストレスをぶつけるかのように、横柄な物言いをする人もいるでしょう。
たとえこちらに非がなくても、頭を下げなければならないことは少なくありません。それが度重なれば、さすがに傷つくし、嫌になっちゃいますよね。「なぜ、そこまで言われなきゃいけないんだ」と怒りが湧いてくるかもしれません。
こんなときに役立つのが、道元禅師の「愛語(あいご)」です。愛語とは相手が耳にして気持ち良い言葉を使うことなのですが、これは上辺の言葉遣いの話ではありません。愛語の使い方や愛語の持つ力をきちんと理解して話せば、自分の心持ちも、周りの人との関係も改善していくという教えです。
愛語とは衆生(しゅじょう)を見るに、先(ま)ず慈愛の心を発し、顧愛(こあい)の言語を施すなり、慈念衆生猶如赤子(じねんしゅじょうゆうにょしゃくし)の懐(おも)いを蓄えて言語するは愛語なり、徳あるは讃(ほ)むべし、徳なきは憐れむべし、怨敵(おんてき)を降伏し、君子を和睦ならしむること愛語を根本とするなり。
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