BABYMETALという戦略#3】BABYMETALの躍進は海外戦略のヒントの宝庫だ

BABYMETALはなぜ世界的な人気を持てたか。そこには海外市場へ進出するためのヒントがありました。

BABYMETALの躍進は海外戦略のヒントの宝庫だ

明治大学経営学部教授・大石芳裕

 BABYMETALの世界的な人気を、日本特有の文化が受け入れられた結果と解釈する向きがあるが、私は違うと思う。注目すべきは、ヘヴィ・メタルという国境を超えた共通性だ。世界に広がるメタルファンという基盤に新しいポジションを築き上げたことが、大きなヒットにつながったのだ。

 メタルはもともとロックから派生したジャンルで、個々の国においてはロックよりも小さい市場だ。だがそれらを足し上げてみると、無視できないニーズがあるとわかる。BABYMETALは神バンドのすばらしい演奏で世界のメタルファンのニーズを満たしているうえ、ポップなメロディとダンスというユニークさがある。音楽ジャンルは融合しないのが原則という欧米市場で、融合という新しさを持ち込んだことが現地の音楽ファンに大きな驚きをもって受け止められた。

 この点においては、BABYMETALが世界の音楽市場にニッチな存在として登場したことは確かだ。だがニッチだから支持された、と考えるのは本末転倒だ。かつてソニーのウォークマンがそうであったように、斬新な商品やサービスは市場に登場した時点においてはすべてニッチだ。なにしろ、そういうジャンルが存在しないのだから。

 問題はその時点でニッチか否かではなく、商品やサービスにベースとなる市場があるかどうか。ウォークマンであれば、音楽鑑賞という普遍的な市場が土台にあった。BABYMETALでいえば、仮に演歌とカワイイの融合であったなら、どんなにニッチで音楽性が高くても、世界的な広がりを持ちようがなかった。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
経済はドラマチックだ」週刊東洋経済

週刊東洋経済

「経済はドラマチックだ。」 日々、あふれる経済ニュース。じっと眼をこらすと、そこには挑戦や成功、葛藤や挫折があります。私たちは人々が放つ熱を記事にし、お伝えしています。週刊東洋経済でしか読めないストーリーがあります。 この連載では、週...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

JxHxAx 明治大学経営学部教授、どうやらメイトだった模様 https://t.co/GbQp3hWYFS 約1ヶ月前 replyretweetfavorite