最終回】長男のスキンシップ事件

家庭内で勃発した小さな事件をコミカルに綴るこの連載。最終回となる今回は、スキンシップにまつわるお話です。子どもたちとのスキンシップを日頃から大切にしてきたみやさんですが、長男のスキンシップ好きはとどまることを知らないようでーー。

長男が生まれて以来、我が家は子どもたちとのスキンシップを大事にしてきた。小学校に入るまでは抱っこやハグはもちろん、ほっぺにチューをするのも日常茶飯事だった。

しかし小さい頃は喜んでしてくれたスキンシップも小学生になると年頃のせいか、拒否されるようになり始めた。

「もう。やだって言ってるでしょ!!」

長男が小学2年生の頃、ホッペにチューをしようとしたらキレられた。

「じゃあ! いつまでならいいの!!」

嫌だと言っているのに、言葉たくみにどうにか期限をつけようと悪あがきをする私。

「え…」

長男は面食らったように少し考えてから、

「じゃあ、中学生まで」

と答えた。

—え? 想像以上に長いんですけど、いいの?

これは好機!と感じた私はすかさず、

「じゃあ、『そんな約束してない』って言われたくないから今から誓約書を書こう!」

と提案した。すると、「いいよ!待ってて!」と食い気味に返事をした長男は「お母さんを懲らしめてやる!」と意気込んだ様子で、お絵かき帳に赤のサインペンで何やら書き始めた。

—え? いいの? というか誓約書知っているの?

疑問が湧きつつも、ことのすべてが終わるまで静かに待っていると、「できた!」とお絵かき帳から一枚切り取って私に渡してきた。

“せいやくしょ ちゅーとぎゅーは、もうしたくありません。はずかしいので、やっていいのは18さいまでです。18さいすぎたらやめてください。やくそくしてください。 なまえ 長男”

かなり長い文章であったが要約するとこういう内容だった。

—さっきの会話では「中学生まで」のはずだったのに「18歳まで」に延びてる!

しかも、誓約書にサインするのは私のはずなのに、長男がサインしている。色々ツッコミどころ満載だったが、私はあえて何も言わずに快く受け取った。

「ありがとう。約束ね!」

「うん!!」

こうして、長男は18歳までチューとギューをしていい権利をあくどい母に許可してしまったのである。

それ以降、ことあるごとにこの誓約書を振りかざすことになる。

とはいえ、さすがに小学校高学年になったあたりから、親がベタベタとスキンシップするのもおかしいだろうと思いはじめ、徐々にスキンシップを減らしていくことにした。

こちらから減らしていくと、それはそれで長男は少し不安になってくるようで、逆に長男のほうからハグをしたり、体の一部をピタッとつけてくるようになってきた。小学校高学年とはいえまだまだ子どもなので、私は長男から求められる限りは応えるようにしていた。

中学生になっても本人からのスキンシップは全く減る様子がなかった。

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へんてこ家族のおもしろ事件簿

元屋みや

cakesクリエイターコンテスト2020の入選者、元屋みやさんが、家庭内で勃発した小さな事件をユーモラスに綴ります! ホラー大好きマイペースな夫、独特な発言をするおっとり長男、繊細で怖がりな次男に囲まれて暮らす元屋さん。個性的な家族相...もっと読む

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コメント

ChloranthusJ やばいおもろい 20日前 replyretweetfavorite

oilnomori こんな平和なミギー初めてみた…! 20日前 replyretweetfavorite

chichukai_csb cakesを駆け抜けたみやさんと長男くんに、わたしもハグさせてください♡ 20日前 replyretweetfavorite