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(カラン、コロン〜♪ カラン、コロン〜♪)
りんだ 「重箱の隅をつつくにも程があるってのぉ! まったくもう!」
小鳥遊 「おや、いつにも増して賑やかな入店ですね。りんださん、いらっしゃいませ」
りんだ 「だって、先輩が『そこまで細かく突っ込まなくても』っていうところまでチクチクネチネチ言ってくるんですよ! 『そこ違うんじゃないか』とか『いや、まだやることがあるぞ』とか」
小鳥遊 「面倒見のいい先輩じゃありませんか」
りんだ 「でも! いちいち細かいところまで言わなくてもいいですよね!? そう思ったら、私キレちゃって……。先輩と気まずくなったまま会社から帰って来ちゃったんです」
小鳥遊 「それは気まずいですね。いいしくじりです。話の続きをじっくり聞かせていただきますね」
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りんだ 「今回、先輩と一緒に開発をする、『アップルパイ自動作成機』のレシピを設定するために、アップルパイの作り方をおさらいしようということになりまして」
小鳥遊 「レシピを共有するんですね。いいじゃないですか」
りんだ 「それが、先輩が細かくて細かくて!」
小鳥遊 「なるほど…では、実際にりんださんのレシピを教えてください」
りんだは、次のように説明した。
1.冷凍パイ生地を3枚用意する
2.りんごを砂糖、シナモンと一緒に透明感が出るまで煮る
3.パイ生地の1枚を丸く切り、残りの2枚は細く切る
4.丸く切ったパイ生地の上にりんごを敷く
5.細く切ったパイ生地を格子状に乗せる
6.200度のオーブンで30分焼く
りんだ 「小鳥遊さん! 完璧なレシピだと思いませんか!?」
小鳥遊 「分かりやすいですね、私には」
りんだ 「分かりやすいですよね? やっぱり!」
小鳥遊 「でも、自動作成をするための設定としては、ちょっと説明が足りないと思います」
りんだ 「ええっ! でも、私はこれで作れますって」
小鳥遊 「フフフ。そこなんですよね。りんださんは、もうアップルパイを作ったことがありますが、何も知らない機械に教え込むには、もうちょっと細かく分けたほうがいいと思いますよ」
りんだ 「じゃあ、どうすればいいんですか?」
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