第22回】ザックジャパンの“焦り、憤り、悲壮感”  セルビア、ベラルーシ戦の現地より①

今回はザックジャパンの欧州遠征について、現地からお届けします。結果はセルビア、ベラルーシに連敗、内容もボロボロ……。コンフェデレーションズカップ以降、なかなか結果を残せないザックジャパンはこれからどうなってしまうのでしょう? 今回と、次回(来週アップ予定)の2回に分けて日本代表の現状を見据え、課題を考えていきましょう。第1回目は、セルビア、ベラルーシというなかなか行けない国についてのプチ旅行記にもなっていますので、こちらもお楽しみください。ところで……、本題に入る前にひとつお知らせがあります!

おなじみ『居酒屋サッカー論』が書籍になりました! 

『居酒屋サッカー論』の連載スタートからコンフェデレーションズカップまでの18本の原稿を収録し、さらに4本のスペシャル対談を加えた書籍の発売が決定しました! 今回、新たに清水英斗と対談をしてくれたのは、オシム元日本代表監督の通訳を務めた千田善氏、野球ライターとして活躍中の菊田康彦氏、日本代表サポーターのちょんまげ隊長ツンさん、そして女性ファン代表として2人の大学生、というバラエティーに富んだラインナップになっています。これらの対談は、実際に居酒屋で実施した、リアルな居酒屋サッカー論。ざっくばらんに行ったぶん、普段メディアでは読めない話が飛び出しているかもしれません。

『居酒屋サッカー論』は10月18日から書店に並び始める予定です。


だれでもわかる居酒屋サッカー論

サッカーをより深い視点で楽しみたい方、ワールドカップに向けてザックジャパンをより深く知りたい方、今までの連載で読み逃した回がある方、ぜひ、この機会にお求めください!

それでは、今回も居酒屋サッカー論を楽しみましょう。題材はセルビア戦とベラルーシ戦のレビューです。

近年まれにみる“さびれた日本代表戦”

セルビア戦を0-2で落とし、つづくベラルーシ戦も0-1で敗北。ザックジャパンは無得点のまま2連敗を喫し、それぞれの帰路についた。
今回の敗北の要因、そしてザックジャパンが現在つまづいている課題については、7つのポイントを挙げたい(次回の居酒屋サッカー論にて!)。が、その前に少し、この欧州遠征の旅をまとめておこうと思う。

ふりかえれば、この2連戦は近年まれに見るほど『さびれた日本代表戦』だった。セルビアのノヴィサドにあるカラジョルジェ・スタジアムは、1万5千人を収容する小さなスタジアム。また、ベラルーシのトルペド・ジョジナ・スタジアムに至っては、わずか6000人収容でメインスタンドとバックスタンドのみ。ゴール裏すら存在しない。印象的には、東京都の西が丘サッカー場、あるいは僕らが草サッカーをやる市営競技場に毛が生えたくらい。

チケットも激安だ。セルビア戦は1枚1000円弱で売られ、ベラルーシ戦に至っては1枚250円程度。今どき、こんな安いチケットで日本代表戦を見られるなんて考えられない話だ(もっともベラルーシでは近隣の住人がその250円すら支払わず、柵の外から見物していたが…)。


ベラルーシの首都ミンスクにある勝利広場の夜景

ベラルーシに入国するには、あらかじめビザを取得する必要があり、今回の『日本代表ツーリズム』は少しハードルが高い。さらにその経由地としてロシアを選択した場合は、トランジット(乗り換え)用のビザを前もって準備しなければならない。

しかし、その周知はかなりイマイチ。「ベラルーシのビザは取っていたけど、ロシアのビザも必要なんて知らなかった」という人が、メディアにもサポーターにもちらほらといて、現地でトラブルになっていた。その結果、泣く泣くロシア経由の航空券を捨て、新規に数万円から十数万円の大枚をはたいてロシアを経由しない新規チケットを取り直す羽目になっていた。

知らなかったのも無理もない。通常、ロシアでトランジットするときにビザは必要ないが、ベラルーシ行きのケースだけが特別なのだ。ロシアにとってベラルーシは国内扱いで、飛行機も国内線の扱いになる。そのため、ロシアで乗り換えを行う時点で一度入国する手続きを踏むことになり、ロシアのビザが必要になってしまう。僕はたまたま同業者との雑談の中でその事実を知り、ビザの用意をすることができたが、あのたった一回の雑談がなければ、今ごろ僕も予約を無効にされ、チケットカウンターで新規航空券の値引きバトルをしていたかもしれない…。そう思うとゾッとする。

ベラルーシの街中では英語が通じない。しかも文字はアルファベットではなく、旧ソビエト圏で使われているキリル文字。ブラジルでも英語は通じなかったが、今回は文字自体が違うので判別すらできず、さらに難易度が高まる。さまざまな意味で、ハードルの高い『日本代表ツーリズム』だったと思う。

とはいえ、世にも珍しいマイナーな日本代表戦を観戦し、選手との密接な距離感を味わえたという意味では、高いハードルを乗り越えた価値もあるだろう。今回、トラブルがゼロで終えたという人はおそらく誰もいないだろうが、このレア体験を味わえたことで、その旅の苦労も少しは報われたのではないだろうか。

ところで今回、僕はベラルーシ戦に関しては取材申請に失敗していたため、一般の観客として試合を見るつもりだった。旧ソビエト連邦であるベラルーシに取材者として入るためには、外務省などを通じてより面倒な手続きが必要になる。僕は不覚にも、その期限に間に合わなかった。そのため、今回は観光ビザを取得してのベラルーシ入り。僕と同じく申請に失敗した人の中には、そのまま諦めて日本で留守番をする選択をした人も少なくない。僕の場合は「まあ、それもたまにはいいかな」と開き直り、観光ビザでやってきた。
(余談だが、実はキックオフの数時間前、一般のファンとしてやって来た僕は幸運にもスタジアムで取材パスをゲットし、結果的にはメディアとして選手取材も行うことができた。とりあえず、行けば何とかなることもあるものだ。おすすめはしないが)

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初回を読む
居酒屋サッカー論 ~誰でもわかる深いサッカーの観方~

清水英斗

「ボールだけを見ていても、サッカーの本当の面白さはわからない!」日本代表戦や欧州サッカーなどを題材に居酒屋のサッカー談義を盛り上げる「サッカー観戦術」を解説します。「サッカー観戦力が高まる」の著者、清水英斗さんによる、テレビ中継の解説...もっと読む

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コメント

ikedashoten 週末なので、欧州遠征編をまとめて無料で 【10/25 19:31まで無料 】 約4年前 replyretweetfavorite

kwhats ワタクシのコメントも載ってましたみんな買えや!! 約4年前 replyretweetfavorite

die_kitty ワタクシのコメントが帯の最初に載っております!未来屋書店で平積みになってました。みんな買えや!  約4年前 replyretweetfavorite

kaizokuhide 【10/19 00:52まで無料 】 約4年前 replyretweetfavorite