「渡部がかわいそう」なのか
アンジャッシュ・渡部建が謝罪会見を開き、久しぶりに直接叩けるぞと前のめりになったレポーターたちが、マスクにフェイスシールドをして会見場に集結した。翌日のワイドショーでは「謝罪のプロ」による「肩パットは抜いておくべきだった」とのアドバイスもあった。5年ほど前のベッキーの会見時に「髪は後ろに結んでおくべきだった」なんて声があったことを思い出せば、「謝罪のプロ」というか、「難癖つけて自分の仕事を維持するプロ」なのではないかと思えてくる。肩パットを抜いて臨めば、「肩パットを抜いて会見に臨むあざとさ」を指摘したかもしれず、意図的な判断にも、無意識の判断に対しても突っ込めるのだから、なるほど、プロの仕事である。
芸能レポーターに100分間も詰問された渡部がかわいそう、という共感も珍奇である。発覚直後にこの連載で「不倫は当事者間の問題なので、外野がとやかく言うことではないが、記事を読む限り、渡部が複数の女性を道具のように扱い、行為後には金銭を支払っていたケースもあるようだから、不倫という言葉はなじまない」と書いたが、自ら開いた謝罪会見に対して、芸能界の仲間たちが薪をくべるように「渡部かわいそう」を高めてくる様子は、彼自身の行為をポップにする効果を持ってしまう。事実、これまでも、仲間たちの間で「多目的トイレ」というキーワードは茶化す道具にされてきた。
「不祥事→会見→自粛→復帰」
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