多くの妻は夫と死別したあと、長い「おひとり様」の時間が始まるのです
今は結婚されている方も女性の多くはおひとり様になります。
平均寿命の統計によると、男性よりも女性のほうが長生きだからです。
夫が先に逝き一人の時が来るのです。これが現実です。
夫と死別した妻がひとりで過ごす時間は、8年とも15年とも言われます。いずれにせよ、長いおひとり様の時間が始まります。
ですから、残された妻が自分名義でもらうことのできる年金の金額を少しでも増やしておくことは大切です。できるだけ満額もらうようにしたいものです。
ところが専業主婦の方の多くが自分自身の年金にわりあい無頓着です。
夫婦で老後を迎えた時には夫名義の年金も入って来ますから、そこそこの生活ができたとしても、夫の死後の年金についてどうなるかまで考えている人は少ないのです。
前回お話ししたように、年金を満額もらうためには40年間、年金の保険料を払い続ける必要があります。1年は12ヶ月ですから480ヶ月です。
ここでは、年金制度が将来不安だとか、果たして本当にもらえるのかといったことは置いておきます。
そのことを考えることは大切なことですが、多くの人がきっと将来はもらえないだろうからという理由で年金を払わない理由にしてしまいます。
老後になってから、やっぱり払ってくれるのか!払っておけば良かった!といっても後の祭りです。
ここでは、年金制度が崩壊するとまでは考えない、大枠で日本の公的年金制度は維持されると考える方に読み続けていただきたいです。
130万円の壁をどう考えるか
専業主婦の方が陥る年金の満額もらい損ねの危険性、どこを気をつけるべきかは前回お話ししました。
今回考えてもらいたいことは、2つあります。
130万円の壁をどう考えるか、そして、老後になったら年金をどうもらったら得なのか?ということです。そして、遺族年金についても知っておいてもらいたいです。
130万円の壁は、主に夫が会社員や公務員として稼ぎ、パートなどで働く妻の多くが直面する課題です。妻は第3号被保険者として、今なら毎月1万6000円以上する国民年金の保険料を払わなくても、払ったこととして計算してもらえる。
その判断基準が妻の年収130万にあるからです。
それを超えると妻自身が社会保険料の負担もしなくてはならない。
手取りが大きく減ってしまうこともある。考えてしまうのは当たり前です。
私は、これこそ、今の制度の大きな欠陥の一つだと思ってます。
一億総活躍社会、男女平等とか言いながら、このヘンテコなシステムがあるために多くの人がもっと働こうか、もうやめておこうかと悩むのです。
本来のあるべき姿は、夫の支払う年金などの社会保険料をもっと減らし、妻は妻で支払うことです。そのほうがスッキリします。
130万円の壁がなくなれば、もっと働きたいという人は多いでしょうし、人手不足の時代にもいいはずです。ま、ここでは、こういう制度の欠陥についてこれ以上、論じても仕方ないので、先に進めます。
皆さん、ひとりひとりで考えていただきたいです。
つまり、130万円を大きく超えて働くことをするべきかどうかです。
メリットは次のようなことがあります。
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