謝るときには、話の順番と伝え方に細心の注意を払う

社内外に味方ができ、仕事が抜群に進めやすくなるビジネスコミュニケーションのメソッドを紹介していくこの連載。第5回目のテーマは「謝罪」です。ポイントは話の順番と伝え方にあります。自分に落ち度があるときとないときに分けて考えていきましょう。

社会人になると、謝らなくてはいけない場面に何度となく遭遇します。自分に落ち度があることもあれば、まったく落ち度がないにもかかわらず、謝らざるを得ないシチュエーションにも出くわすこともあるでしょう。そんなとき、あなたはどう振る舞うでしょうか。ミスや謝罪の場面で、「相手を納得させる謝罪ができるかどうか」はその後の評価を大きく左右する、重要なファクターです。

謝るときに大事なのは、「謝罪の気持ち」「経緯と理由」「今後の対処」の3つが、きちんと相手に伝わることです。

これら3つが伝わることで、相手の怒りもトーンダウンし、着地点が見えてきます。ただし、話の順番や伝え方を間違えると、怒りの炎に油を注ぐことになるので細心の注意を払う必要があります。

自分に落ち度があった場合の謝り方

では、自分に落ち度があった場合と、そうでない場合の2パータンに分けて見ていきましょう。まずは自分のせいで相手を怒らせてしまった場合。

順番としては、最初に「謝罪の言葉」を伝え、次に「なぜ、こんなことになってしまったか」という理由を伝えます。この順番は決して違えてはいけません。謝るより先に事情説明をしても、「なるほど。君にはそんな事情があったのか。だったら仕方がないよ」などと言ってくれる人はいません。相手はより一層腹を立て、「謝りもせず、言い訳するとは何ごとか」と叱られるのがオチです。

まずは相手が納得するまで、ひたすら謝る。このとき、表情や声のトーンにも気をつけましょう。決してかっこつけたり、ふてくされたりしてはいけません。不祥事を起こした企業の謝罪会見を思い出してください。普段は偉い立場にあるであろう人たちが集まり、うなだれ、深く頭を下げますよね。その姿はみっともなければみっともないほど、「しかたない、許してやろうか」という気持ちにつながりやすくなります。逆に顔色ひとつ変えずクールに「はい、まことにすみませんでした」と言われても、多くの人は納得しません。

相手の気持ちに寄り添い、徹底的に謝るところから始めるのは、決まり切った“お約束”と考えましょう。

なお、謝り方には2パターンあります。

①「今回、納品が遅れたことによって、各方面に多大なご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
②「今回、納品が遅れたことによって、さぞかし気を揉まれたことでしょう。ヒヤヒヤさせてしまって申し訳ありません」

①は事実ベース、②は気持ちベースの謝り方です。仕事の場面では多くの場合、①が求められることが多いかと思いますが、なかには②を好む相手もいます。誠心誠意言葉を尽くして①のトーンで謝っているのに、「こいつはビジネスライクに片づけようとしている!」と不機嫌になられたときは、情緒=“エモさ”を足してみてもいいかもしれません。

ともあれポイントは、真剣に謝り倒して、謝り尽くして、相手の怒りのエネルギーをトーンダウンさせること。理由の説明や今後の対応策について話をするのは、その後のことです。

相手の質問の真意を見極めよう

ときには謝罪をしている最中に、相手から「どうしてそんなことになっちゃったの?」と、厳しく問い詰められることもあるかもしれません。ここで気をつけたいのは、相手が本当に理由を聞きたくて質問しているのか、それとも抑え切れない怒りの表現としての質問なのか、という点です。

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五百田達成

ビジネスの場面で重視されるコミュニケーション能力。普段から上司や同僚、取引相手など周囲の人たちと良好なコミュニケーションがとれていれば、仕事は抜群に進めやすくなります。この連載では、20代のみなさんに向けて、「ものを頼むとき」「断ると...もっと読む

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