やめろと言われたからといって、全部やめなくてもいい理由

ーー忘れかけていた夢がとめどなくあふれてくるーー北海道の小さな町工場から、幼いころからの夢だった「自分のロケット」の開発へ。誰もが「どうせ無理」だとあきらめていたことを、「工夫」によって次々と実現させていく著者の姿勢と、素朴で力強い言葉に心を揺さぶられます。書籍『好奇心を“天職”に変える空想教室』より全文公開します(提供元:サンクチュアリ出版。毎週土曜日更新予定)。

ぼくは永田教授と力を合わせて、ロケットを作れるようになりました。

ふつうはロケットを勝手に作っちゃいけないです。
危ないです。ロケットの中にはたいていちゃぷちゃぷの燃料が詰まっているからです。

液体の燃料はロケットが壊れたときに、バサーッとまき散らかされて、それが空気とむすびついた瞬間、いっぺんに燃えて大爆発を起こします。
ロケットは2回爆発しますが、最初にちっこい爆発があったあとの、2回めの爆発がまずいのです。
この2回めの爆発をふせぐためには、石油と同じような成分だけど、「まき散らかされないようなもの」を燃料として使えばいいんです。
それがプラスチックでした。
ぼくたちのロケットの燃料には、ポリエチレンが使われています。
ポリエチレンはスーパーのレジ袋とか、ペットボトルのキャップになるものですね。
塩素を含まないからダイオキシンが出ません。おまけにすごく安いです。
研究を重ねた結果、そのポリエチレンを分厚いボタンみたいな塊に成形して、ボタンの穴を交互にずらしながら重ねていくと、まるで液体であるかのように急激に燃える、という現象を発見することができました。

今ではたった数キログラムのポリエチレンから、100万馬力ほどのパワーを引き出すことができます。
そんなぼくたちのロケットエンジンは、いろんな研究で使ってもらえるようになりました。

でも実際に作ってみたら、“ロケットだけをただ飛ばしてもしょうがない”ということがわかりました。
ロケットはもともと宇宙に物を運ぶためのものです。トラックやタンカーと一緒なのです。
ロケットを飛ばすためにはお金がかかるので、本当はお金を出してくれるお客さん(荷主)が必要です。
そのお客さんを探すこともできます。
でもお金をかけずに全部、自分たちの力で飛ばす方が面白そうだと思いました。
そこでぼくたちは、自分たちで「無重力の研究」ができるようにがんばりました。
そして自分たちで「人工衛星」を作れるようにがんばりました。
するとそれらの技術を、いろんな企業があてにしてくれるようになりました。

その技術をいかして、

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
植松努の空想教室

植松努

ー忘れかけていた夢がとめどなくあふれてくるー 北海道の小さな町工場から、幼いころからの夢だった「自分のロケット」の開発へ。夢見る経営者が涙まじりに訴え、TEDxで話題となった感動スピーチを書籍化。誰もが「どうせ無理」だとあきらめていた...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード