現実」から考えても無価値な理由

ーー忘れかけていた夢がとめどなくあふれてくるーー北海道の小さな町工場から、幼いころからの夢だった「自分のロケット」の開発へ。誰もが「どうせ無理」だとあきらめていたことを、「工夫」によって次々と実現させていく著者の姿勢と、素朴で力強い言葉に心を揺さぶられます。『好奇心を“天職”に変える空想教室』(サンクチュアリ出版)より全文公開(毎週土曜日更新予定)。

ぼくが中学生になったとき、うれしいことがありました。
スペースシャトルが飛んだのです。びっくりしました。本当にうれしかったです。
いつか自分も乗れると思いました。
そうしたらタイミング良く……『機動戦士ガンダム』もはじまってしまいました。
いや、もうびっくりしました。自分は将来スペースコロニーで働くんだと、そのとき真剣に考えました。
さらにもっとうれしいことがありました。
憧れのスペースシャトルに、日本人が乗っちゃったのです。
しかも日本人最初の宇宙飛行士・毛利衛さんは東京の人ではなく、北海道のけっこう田舎の人だと知りました。
ぼくも北海道のけっこう田舎の人という点では負けてはいません。
ということは、ぼくにも宇宙飛行士になれる可能性が十分あるかもしれないと思って、いっぱい本を買って、もっと宇宙のことを勉強しようとしました。

「植松は将来どうしたいんだ?」そんな矢先に、進路相談がありました。
だからぼくは正直に「飛行機とかロケットの仕事がしたいです」と答えました。
すると先生がいいました。「飛行機とかロケット?じゃあ、東大に行かなきゃ無理だわ。でもお前の成績では、どうせ無理だから」そして「ちゃんと現実を見なさい」といわれてしまいました。

ぼくの目の前は真っ暗になりました。そしていわれたとおり〝現実〟について考えてみました。

そのときはよくわかりませんでしたが、大人になった今でははっきりとよくわかります。
現実というものは「これまでの人生」なんです。つまり、それは変えられない“過去”です。
ぼくはそれまで飛行機とロケットの勉強をしていました。でも学校の勉強はほったらかしていました。そのせいでぼくは「将来、飛行機やロケットの仕事はできない」といわれたのです。

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ちっぽけな町工場から自家製ロケットを打ち上げた男の感動スピーチ

好奇心を“天職"に変える空想教室

植松 努
サンクチュアリ出版
2015-10-26

この連載について

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植松努の空想教室

植松努

ー忘れかけていた夢がとめどなくあふれてくるー 北海道の小さな町工場から、幼いころからの夢だった「自分のロケット」の開発へ。夢見る経営者が涙まじりに訴え、TEDxで話題となった感動スピーチを書籍化。誰もが「どうせ無理」だとあきらめていた...もっと読む

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