みんなから「欲しい」と言ってもらえるものを作るためには

ーー忘れかけていた夢がとめどなくあふれてくるーー北海道の小さな町工場から、幼いころからの夢だった「自分のロケット」の開発へ。誰もが「どうせ無理」だとあきらめていたことを、「工夫」によって次々と実現させていく著者の姿勢と、素朴で力強い言葉に心を揺さぶられます。『好奇心を“天職”に変える空想教室』(サンクチュアリ出版)より全文公開(毎週土曜日更新予定)。

今でこそ人前で飛ばせるようになったぼくたちのロケットですが、はじめの頃はさっぱりうまくいきませんでした。
やっと作ったロケットエンジンも、ためしに動かしてみたら爆発ばかりしました。
念のためにいっておきますけど、爆発させたかったのではありません。
毎回工夫していましたが、毎回爆発してしまいました。

当然です。生まれてはじめてロケットエンジンを作ったからです。
やったことがないことをやったから、失敗したんです。
しかも世界で誰も作ったことがない、ちょっと変わった仕組みのロケットエンジンだったものだから、余計に失敗しました。
設計図はもちろん、参考になりそうな本すらも、この世に存在しませんでした。
そのときに、ぼくはやっとわかったんです。
世界ではじめてのことは「誰も知らないから、 誰も教えてくれない」ということを。
教科書に書いてあること、親や先輩や学校の先生や会社の上司が教えてくれることは全部、「昔のこと」。「これから」と「未来」のことは誰も知らないから、誰も教えようがないのです。
そして残念ですが、ぼくもみなさんも「これから」と「未来」を生きることしかできません。
だから教わったことを丸暗記するだけでは、きっと足りません。
教科書に書いてあることを丸暗記したら、テストで百点を取れるかもしれません。
それもすばらしいことですが、覚えられる範囲のことが世界のすべてのはずはありません。
世界には信じられないほどたくさんの本があります。
このすべての本を、一生のうちに全部暗記するのは不可能です。
ということは、知識量を競うこと自体がナンセンスなのかもしれません。
本は暗記されるためにあるものではなく、本には本の役目があります。
たとえばぼくが本を読まずに、勇気を出してキュリー夫人と同じことをやったらおそらく死にます。
野口英世と同じことをやってもきっと死にます。
でも死なないで済むのは、彼らが命をかけて記録を残してくれたからです。

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植松努

ー忘れかけていた夢がとめどなくあふれてくるー 北海道の小さな町工場から、幼いころからの夢だった「自分のロケット」の開発へ。夢見る経営者が涙まじりに訴え、TEDxで話題となった感動スピーチを書籍化。誰もが「どうせ無理」だとあきらめていた...もっと読む

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10ricedar ほんといいわぁ 3ヶ月前 replyretweetfavorite