誰にだって宇宙開発ができる」と言い切れる理由

ーー忘れかけていた夢がとめどなくあふれてくるーー北海道の小さな町工場から、幼いころからの夢だった「自分のロケット」の開発へ。誰もが「どうせ無理」だとあきらめていたことを、「工夫」によって次々と実現させていく著者の姿勢と、素朴で力強い言葉に心を揺さぶられます。『好奇心を“天職”に変える空想教室』より全文公開(毎週土曜日更新予定)。


ぼくは今、北海道の真ん中へんにある、赤平(あかびら)という町で小さな工場を経営しています。
その工場でぼくはロケットを作っています。
誰かに頼まれて、部品を作っているわけではありません。
ロケットをまるごと作って、自分たちの手で宇宙に打ち上げているのです。
人工衛星もまるごと作って打ち上げています。その人工衛星は宇宙で立派に役目を果たしました。
それからぼくの工場には大きなタワーがたっています。
このタワーは宇宙に似た無重力状態を地上で再現する実験装置で、NASAとドイツとぼくの工場にしかないものです。世界にみっつしかないものが、うちの工場にひとつあります。

どの部品も、どの装置も売っていないものだから、自分たちで工夫して作りました。
そうしたら今では日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)が1年の3分の1くらい、ぼくの工場まで実験しにきてくれるようになりました。実験装置がうちの工場にしかないから、うちの工場にくるしかないんです。

おかげでぼくはずっと憧れていた毛利衛さんや、はやぶさを作った川口淳一郎さんとも仲良くなることができました。
NASAの人もきてくれるようになりましたし、1年間に約1万人以上の学生が見学にきてくれるようになりました。ぼくの住む赤平の人口はたった1万1千人です。とってもうれしいです。
なんでこんなにいろんな人がきてくれるのか?
それはたぶん、ぼくたちが自由に「宇宙の仕事」をしているからだと思います。
ぼくたちは宇宙開発をしていますが、政府や企業から開発費をもらったりせず、自分たちで稼いだお金だけで勝手にやっています。

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好奇心を“天職"に変える空想教室

植松 努
サンクチュアリ出版
2015-10-26

この連載について

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植松努の空想教室

植松努

ー忘れかけていた夢がとめどなくあふれてくるー 北海道の小さな町工場から、幼いころからの夢だった「自分のロケット」の開発へ。夢見る経営者が涙まじりに訴え、TEDxで話題となった感動スピーチを書籍化。誰もが「どうせ無理」だとあきらめていた...もっと読む

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kanan_2010 ここで働いてみたい 8日前 replyretweetfavorite