第22回】今度はロシアの油田開発に横やりで海賊罪!? 無鉄砲な環境保護団体グリーンピースに対する私の複雑な感情

ロシアで、環境保護団体グリーンピースの活動家30人が拘束されている。9月19日、北極海で、ロシアの油田のプラットフォームを襲っているところを捕まったのだ。襲撃の模様は、ユーチューブで垣間見ることができる。

ロシアで、環境保護団体グリーンピースの活動家30人が拘束されている。9月19日、北極海で、ロシアの油田のプラットフォームを襲っているところを捕まったのだ。襲撃の模様は、ユーチューブで垣間見ることができる。

北極海の海底には、石油やらガスが眠っている。特にロシア沿岸は遠浅なので、彼らにとっては宝の海。今回の事件の現場になったのは、バレンツ海の片隅、ペチョラ海で、ロシアの巨大エネルギー会社、ガスプロムが油田の開発に力を注いできた場所だ。

ただ、ここは水深は浅いが、波が荒く、11月からは氷との戦いだ。難しい条件のために工事はなかなか捗らず、当てにしていた石油の採掘は、すでに何年もの遅れが生じていた。そして、ようやく来年の初めに完成という目途が立ち、現在、槌音高く頑張っていたところだったのに、グリーンピースが決定的な横やりを入れたわけだ。


ドイツで起きた抗議運動の様子〔PHOTO〕gettyimages

海賊行為ではないが国際法に違反している

世界の海でのグリーンピースの活動は、今に始まったことではない。70年代の捕鯨反対、80年代のアザラシ漁反対に表されるように、彼らの主張は常に、「海の自然を乱すな」。それが、現在の北極海での油田・ガス田の開発反対運動にもつながっている。抗議行動は多岐にわたり、持ち船Arctic Sunrise号で世界の海を走り回っている。

先月初めからは、北極海でロシア側との睨み合いが続いていたというが、ついに19日、彼らはロシアの警告を無視し、Arctic Sunrise号から数隻の高速ゴムボートを出し、油田プラットフォームに接近。さらに何人かの活動家がその垂直の壁を、ロッククライミングさながらによじ登った。しかし、もちろん、ロシア側がこれを放っておくわけはなかった。

ロシアの特殊部隊が放水を始めた。アラブのデモ隊に放水なら、それほど悲惨ではないが、北極海では見ているだけで冷たそうだ。案の定、あっという間に、武器を構えた特殊部隊の前で、全員がホールドアップとなった。そのあと、Arctic Sunrise号には、ヘリコプターからロープを下ろして特殊部隊が潜入。船は没収、中にいた活動家も拘束された。

Arctic Sunrise号は、グリーンピース側の主張では公海上に停泊していたということだが、ロシアの国境警備隊の話では、プラットフォームの周り500mの航行禁止水域に入り込んでいたという。どちらが本当かわからない。

いずれにしても、現在、20ヵ国出身の30人(うち2人はジャーナリスト、1人はロシア人カメラマン)が、ロシア当局の手中にあり、すでに全員が海賊行為という名目で起訴された。ひょっとすると、判決は懲役15年になる可能性もあるそうだ。

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シュトゥットガルト通信

川口マーン惠美

シュトゥットガルト在住の筆者が、ドイツ、EUから見た日本、世界をテーマにお送りします。

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