船橋や秋葉原が“俺の庭”なら、ロワールは“フランスの庭”です。
古城や庭園が、ゆったりと流れる川が、なだらかな丘陵が、豊かな田園が、そんな風景がどこまでもどこまでも広がっている風光明媚なところ、であるようです。
筆者は訪れたことはないのですが、ロワールのワインを味わうときは、そういう風景を乙女のように想像しては、うっとりしたり、頬を赤らめたりしながら飲みます。
そうすると、ワインと美しい風景とが一体となって、胸の奥を満たしてくれるような気がします。
でもふと目を開けてみれば、そこには船橋の立ち飲みバーでヨレヨレになった酔客がカウンターに突っ伏していたりします。
そういう現実とのギャップがたまりません。
ロワール地方はとても大きなところです。
だからローヌ地方のときと同じように、「ロワールという産地だから」というよりも、「ロワールのこの銘柄が好きだから」「使われている品種が好きだから」という理由で選ぶことになると思います。
ただロワールワインの中から選んで損しないのは、“さっぱりした辛口の白”でしょう。
実際、首都パリでは、ロワールの白ワインがデイリーワインとして最も多く飲まれるようです。
衝撃的においしいわけじゃないけど、いつまでも飽きがこないシンプルな味だということになります。
ロワールは四つの地区に分かれていて、それぞれ特徴を出しています。