純猥談

その彼氏ができたのは、風俗を辞めて1年ほどした頃だった。

いま同じ時代を生きる人たちから寄せられた、性愛にまつわる体験談をご紹介するこの連載。今回は幸子さんからの「純猥談」をお届けします。


大学2年生の冬、彼氏ができた。

何度も何度もデートに誘って、ごはんを食べたり、映画を見たり、お誕生日にはプレゼントをあげたり、傍から見れば文字通りの純粋な片思いだった。

クリスマスももう目前。 今日こそ言わなくちゃ、と二軒目の居酒屋でハイボールを片手に頭の中で台詞を考えた。

ラストオーダーの時間。そのまま店を出た。電車が反対の方向だから、彼はいつも私の方のホームまで見送ってくれた。

あと5分。遠くに電車が見えた。

「好きになっちゃった。付き合ってほしいんだけど。」

彼は驚いていた。 ウソつけ、気付いてたくせに。 そう思ったが言わなかった。

「俺でよかったら、お願いします。」

夢のようだった。久しぶりの彼氏だった。

彼は同じサークルの同期で、誰にでも優しくて面白い人だった。本当に大好きだった。恋愛経験は少ないらしかった。キスをしただけで分かった。


私は風俗で働いていた。

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純猥談 編集部

誰もが登場人物になったかもしれない、現代の性愛にまつわる誰かの体験談が純猥談として日夜集まってきています。様々な状況に置かれた人たちから寄せられた3000件を超える投稿の中から、編集部が選りすぐった傑作を公開していきます。

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junwaidan 【リバイバルA面として、人気作を再配信しました】 ※URLに誤りがあったため、再投稿です。 https://t.co/OZFz4od1x1 https://t.co/NaF2HLWMy6 約1ヶ月前 replyretweetfavorite