小学校で「インバウンド・マーケティング」をやってみた vol.2

グロービス経営大学院准教授として、マネジメント・マーケティングの分野で活躍する川上慎市郎さん。そのもうひとつの顔が、千葉県浦安市にある美浜南小学校のPTA会長です。生徒減少という問題を打開すべく、川上会長がPTAのお母さんたちと取り組んだのは、「ペルソナ法」を通じたマーケティングです。お母さん達の実体験にもとづいてできたペルソナから見えてきた「魅力ある学校」の条件とは?

前回、公立小学校のPTA会長を引き受けたところ、生徒数が減少して学校の運営に支障を来し始めていることが分かったため、PTAとして「子供集め」に乗り出すことにした、というお話をしました。

とはいえ、我々はただの公立小学校の、しかも小規模学校で予算すら乏しいPTAです(実はこの当時、当校のPTAは2〜3年連続で支出が毎年の会費収入を上回る「赤字」が続いていました)。ですから、広告を打つというわけにはいきません。

そこで、乏しい予算でも情報発信ができる「インターネット」を使うことに決めたうえで、いったいどんな情報を誰に向けて発信すれば子供が増えるのか、それをPTA役員全員で考えることにしました。役員のお母さん達に集まってもらい、「誰が」「どんな理由・目的・プロセスで」「どんな情報を」知りたいと思うのかについて、いろいろ話してもらったのです。

そのときの議論をまとめたホワイトボードが、以下の写真です。


「ペルソナ法」を通じて、「魅力ある学校」の作り方を考える

このホワイトボードに書かれているのは、高広さんの著書『インバウンドマーケティング』でインバウンドマーケティングの最初のステップとされている「ペルソナの設計」の、その具体的な内容です。

実際のビジネスの現場で作成するペルソナは、社内のマーケティング部員とはまったく異なる属性やキャラクターの人であるケースが多いですから、もっと膨大なインタビューや行動観察、アンケート調査データなどを収集したうえで、それを1つの架空人格にまとめ、そのマーケティングに携わる人々全員が施策の対象顧客をイメージしやすくします。

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川上慎市郎

グロービス・マネジメント・スクールでマーケティングを教える川上慎市郎さんが、若手ビジネスパーソン向けに、マーケティング、メディア、そして教育について、深くやさしく解説をします。かつて有名ブログ「R30::マーケティング社会時評」を運営...もっと読む

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コメント

m_um_u 口コミ情報の操作に関して | 4年以上前 replyretweetfavorite

shin16185 小学校で「インバウンド・マーケティング」をやってみた(中編)|川上慎市郎|R30::リローデッド|cakes(ケイクス) この手の事例は、導入の反発がポイントだと思うので、次回への期待が高まります https://t.co/Ol6tgc0BOp 4年以上前 replyretweetfavorite

toksato 課金してないので先を読んでないけど、このホワイトボードのじゃ「魅力的ある学校」じゃなくて「魅力ある( 4年以上前 replyretweetfavorite

sadaaki R30川上さんによる 4年以上前 replyretweetfavorite