2012年の暮れに出版された元Wired誌編集長のクリス・アンダーソン著、「MAKERS」が世界的ベストセラーとなったことがキッカケとなり、3Dプリンタに突如アツい視線が注がれるようになりました。製造の在り方を根本から変えてしまう可能性を秘めている……。オバマ大統領までもが演説でそんなふうに言及したのです。2013年の夏には3Dプリンタの最大手ストラタシス社が、廉価版3Dプリンタの開発/販売を手掛ける Makerbot社を400億円で買収し大きな話題となりました。各社がこぞって低価格3Dプリンタを市場に投入し始めています。
クリス・アンダーソン氏は著作のなかで主に製造側「MAKERS」の立場から、変わりゆく世界の在り方を論じていますが、消費者側にとって、3Dプリンタがもたらす「ご利益」はなんなのでしょうか? 消費者にとって世の中はどんなふうに変っていくのでしょうか?
オーダーメイドが安くなる
私が考える3Dプリンタが世界にもたらす変化、それはオーダーメイドの低価格化です。自分の顔にピッタリと合うメガネ、耳に完璧にフィットするイヤフォンや補聴器、自分の手に馴染むようカスタマイズされたゴルフクラブやテニスラケットなど、今までは高価過ぎてプロでなければ手が出なかったものが、比較的低価格で手に入るようになるでしょう。そんな3Dプリンタを利用した安価なオーダーメイドは、私たちの気が付かないところで静かに普及しつつあります。
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