cakes読者のみなさま、こんにちは。
秋は夕暮れ、じゃなくて、秋は焦げ目(この連載で言うのは2回目ですが、でも言いたい)。ぐっと寒くなってきたら、急に恋しくなるのが香ばしい焦げ目です。ぎりぎりまで攻めた焦げ目ほど、食欲をそそるものはなし。何をこんがりするかは個人の自由ですが、せっかくこの文章を読んでくれているのなら、11月はひとつ、長芋をこんがり料理してみませんか。
これは以前、青森の長芋農家を取材したときの写真です。ちょうど11月の収穫真っ盛りの時期。生産者の方々が、掘り起こした立派な長芋を畑に並べて見せてくれたのですが、よく見ると、あれ、上下逆に立て掛けてある……。と思ったらそうではなく、長芋は土の中で、この状態で育っているのでした。畑のことは知らないことばかり。生産者への取材は、いつも勉強になります。
長芋は、生で食べればシャクシャクと、焼けばほっくりとします。今回はほっくりな長芋料理をご紹介。長芋って身質が軽いから、皮をむいたり切ったりするのもラクで料理しやすい素材。まあ、ちょっと滑りやすいけど。買い物するときも、長芋なら荷物が重たくならない。これ、疲れてる仕事帰りなんかだと特にありがたい。重い素材は買うの躊躇しちゃうとき、ありますよね。
今回ご紹介するのは、たたき長芋とハムのグラタンです。長芋はすりおろすのではなく粗めにたたくので、大小のかけらができて食感も面白い。卵を加えてふんわりボリュームをだします。ハムは刻み、ほどよい塩気の役割も。ワインやごはんに合わせるために軽い酸味も欲しいので、味付けはポン酢を使います。なんというか、簡単過ぎる料理未満なレシピですが、意外に食べごたえはありますよ。
では、パパッと作っていきましょう。
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「たたき長芋と刻みハムのふんわりグラタン」
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