みなさんこんにちは。
すっかり秋ですね。
秋って妙にお腹が空きませんか?
夕方、黄金色に変わりつつある街路樹を見ていたら、
ふとカリッと香ばしい天ぷらが
食べたくなりました。
天ぷらは、ポルトガル人がもたらした南蛮の食文化の影響、
というお話は
第三回でもちょっと触れました。
そう、ポルトガルには魚や野菜の天ぷらがたくさんあります。
かき揚げだって、ほら。
これは「干しだらのかき揚げ」
「Pataniscas de bacalhau(パタニシュカシュ ドゥ バカリャウ)」
ポルトガルでは、とてもポピュラーな料理です。
水で戻してほぐした干しだらと玉ねぎ、イタリアンパセリのみじん切りを、
塩、こしょうで味をつけ、粉と卵で作ったころもで揚げます。
いわれてみればなんとなく
かき揚げっぽい形でしょう?
でもこのかき揚げ、
残念なことにポルトガルでは、
どこで食べてもほぼ間違いなくころもがモフッとしてる。
卵多めでふんわり気味のかき揚げが多いんです。
決しておいしくないわけではないんだけど、
でも私には、モフッとしている揚げ物の良さが
どうも分かりません。
揚げ物はカリッと揚げて欲しいんです。
なんでこんなにころもがやわらかいのだ?
ポルトガル人はモフッが好きなの?
カリッの良さを知らないだけなの?
ポルトガルを旅行中は、
モフッとしたかき揚げを食べるたびに
もっとカリッと揚げた方がおいしいのになあ、
誰かカリッと揚げてくれないかなあと
切に願っていました。
そんなある日、
ガリっと音がするくらい食感の良い
香ばしい干しだらのかき揚げを出すお店についに出会いました。
カリッとの支持者を見つけられたその嬉しさたるや!
早速お店の女性シェフに
カリッとしているかき揚げへの溢れる喜びを伝え、
なんでポルトガルの揚げ物ってころもがモフッとしているのかと聞きました。
「きっとみんな、モフッとしているのに慣れてるのよね」
「でもカリッとしている方がおいしいですよね?」
「そうよ、だから私はカリッとしたかき揚げを揚げてるの」
やっぱりポルトガルにもカリッとの良さが分かる人がいるんだ!
それだけですごく嬉しかったのです。
ま、実にたわいもない話ですよね。
ですが、ちょっと想像してみて下さい。
実際にあっちこっちでフワッとした揚げものばかりに直面すると、
日本人なら誰しも、
いつのまにか心の底からカリッとを求めるってもんです。
だって、立ち食いソバ屋さんの天ぷらですら、
ビシッとカリッと揚がってるじゃないですか!
きっと日本人のDNAに
揚げ物=カリッ
が刷りこまれているんじゃないかなあ。
というわけで今回ご紹介するのは
誰でもカリッと仕上がる「たらのかき揚げ」
日本では干しだらは滅多に見かけないので、
代わりに甘塩のたらを使います。
カリッとの秘密は、飲んでもおいしいアレを使います。
レシピをご覧くださいね。
材料はこちらです。