性行為なんて美容のため、と言い切った女性

小説家の森美樹さんが自分自身の経験を交えながら、性を追及し、迷走する日々を綴るこの連載。今回は「美貌を保つ秘訣は男」と断言する知人女性のお話です。久しぶりの連絡なのに、叱るような口調で話してきた女性。しかし森さんは、その人のことを嫌いにはなれないのだそう。それはどうしてなのでしょうか?

キメツミクスという言葉を生んだほど、『鬼滅の刃』旋風は当分おさまりそうにない。私も映画を観たし、細切れだが漫画も読んだ。映画では泣いたし、めでたく推しキャラもできた(甘露寺蜜璃ちゃん。伊黒さんとの絡みも最高)。

そんな浮かれた私へ、友人からLINEがきた。
『いい歳して。現実逃避もいい加減にしなさい』

50歳って言ったら、何を持つべき?

久しぶりの連絡だった。ここ数日の私のアホツイートを見たのかもしれない。正確には、友人未満の知人といったところか。私の僻みかもしれないが、友人(以後Y美)は学歴も美貌も交流関係も、私より格上だったのだ。何かのパーティか集まりで知り合って、年に1~2度LINEをする程度の仲だ。当然、数年来会ってはいない。

『美樹さん、私よりふたつ年下だから、今年50歳だよね。50歳って言ったら、何を持つべきかわかってる?』

(えー、セ●ミンかな。それとも、し●み習慣かな。キミ●ホワイト?)

時候の挨拶もなしに、Y美はまくしたてる。

『男に決まってるでしょう』

『お久しぶりです、お元気そうで。私、結婚してるので』

『バカね。旦那は常備菜、男はスイーツ』

(何の格言だ?)

奇天烈と鼻で笑いそうになるも、根拠のない圧もある。どうやら私は叱られているようだが、なぜ叱られているのか釈然としない。つまりいい歳をして漫画沼にハマったのがいけないのか。だとしてもY美に叱られる筋合いはない。

『Y美さん、何か話があったんじゃないですか』

『年齢を重ねる怖さや、美貌を保つ秘訣を聞かれた時、あなたならどうするか、って聞きたかったの。これ、最近私がよく友人に聞かれることなんだけど』

(友人の話はたいてい自分の話だよね)

『内面をみがいてみるとか』

(はいはい、ゆるい回答というのはわかっていますよ)

『違うわ。男よ。セックス』

(Y美ってば私に聞いているのに、自分で回答出してんじゃん)

つい本音が出てしまった

『セックスですか』

(セックスできれいになる、という女性誌のテーマですね。本当にきれいになるんかい)

『セックスしている女性、していない女性、ってね、一目見ればわかるのよ』

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アラフィフ作家の迷走性活

森美樹

小説家の森美樹さんは、取材や趣味の場で、性のプロフェッショナルや性への探究心が強い方からさまざまな話を聞くのだそう。森さん自身も20代の頃から性的な縁に事欠かない人生でした。47歳の今、自分自身の経験を交えながら、性を追及し、迷走する...もっと読む

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コメント

sopachorina この結末は予測できなかった。こういうの好き。 18日前 replyretweetfavorite