わかる日本書紀

イラっとしたら即・斬殺。テンション乱高下天皇【第21代④】

ややこしい日本書紀をわかりやすく紹介した書籍『わかる日本書紀』シリーズ第3巻から、日本の正史を学ぶ連載。今回は第21代、雄略天皇の御代のお話。

吉野への行幸

雄略二年十月三日、天皇は、吉野を訪れました。
六日、御馬瀬(みませ)※1に行き、山を管理する官人に命じて狩りをしました。重なった峰を登り、深い草むらを進み、まだ日も傾かないうちに、十の内七か八は捕獲しました。狩りをするたびに、大いに獲り、鳥や獣が尽きようとしたところで、戻って林泉で休み、藪や沢をそぞろ歩き、狩人を休ませ、馬を整えさせました。そして臣下たちに、
「猟場の楽しみは、膳夫(かしわで)※2(なます)※3を作らせることだが、自分で作るのはどうだろう」
と尋ねました。臣下たちは、とっさに答えることができませんでした。すると天皇は、大いに怒って刀を抜き、馭者(ぎょしゃ)の大津の馬飼(うまかい)を斬ってしまいました。

この日、天皇が吉野宮から帰ってくると、国内の民は皆、怯えました。皇太后オシサカノオオナカツヒメ(忍坂大中姫)と皇后ハタビヒメ(幡梭姫皇女)は、それを聞いて大いに恐れ、大和の采女のヒノヒメ(日媛)※4に、酒を捧げて迎えさせました。
天皇は、采女の顔が端麗で、姿形が優雅なのを見て、顔をほころばせて、
「お前の美しい笑顔を、見ていたくないはずがあろうか」
と言って、手を取り合って後宮に入りました。

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わかる日本書紀

村田右富実 /つだゆみ /村上ナッツ

『日本書紀』は神代から第41代持統天皇の時代までを扱った日本最古の歴史書です。しかし本文は漢文、全30巻と長く読解は難しいため、正史ながら読んだことのある人はほぼいません。そこで、劇作家が書くわかりやすい文章と、親しみやすいキャラクタ...もっと読む

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