美化される過去と青いラブホ

時田桜さんのラブホレビュー連載、久しぶりの更新です。21歳の誕生日に訪れた、町田のハイクラスなラブホテルはどのような部屋なのでしょうか。

一ヶ月以上、ラブホテルに行っていない。「今日以降、もうしばらくは、会わないようにしよう」と、21歳の誕生日にいつも一緒にラブホテルに行っていた男の子と約束してから、私にはラブホテルに一緒に行く人がいなくなってしまった。

最後に行ったラブホテルは、町田グランベリーパーク駅から歩いて30分ほどのところにある『ウォーターホテル・シー』。私は、車を運転できないし、彼も車を運転できない。だから、高速インター沿いにあるラブホテルには、いつも駅から何十分もかけて歩いていくしかない。確かに不便だけど、暗闇を二人で歩き続けて、角を曲がったらいきなりラブホテルの光が見えたときのあの瞬間とか、車が通る用の大きな入り口の真ん中をトコトコ歩いて入るあの気分とか、私は大好き。だからきっと、将来大人になって高速沿いのラブホテルに車で悠々と行くようになってしまったら、不便だった今を思い出して懐かしむに違いない。

その日は私の誕生日で、ずっと前から行きたいと思っていたこのホテルを自ら予約した。本当は、相手に誕生日のお祝いをして欲しいなって思っていたけれど、彼はそういうのをしてくれる人ではないし、期待するだけ馬鹿馬鹿しかった。誰かが祝ってくれるのを期待しているよりも、誕生日は自分で自分のためにお祝いすれば良いんだと気がついた。だから、自分のスペシャルな日のために、町田という立地にしては一泊23000円と一際高い、今まで見てきたどんなラブホテルよりも超高級なスペシャルラブホテルを選んだ。

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ラブホはわたしのワンダーランド

時田桜

ラブホに魅せられ、ラブホの虜になってしまった大学生の時田桜さん。時田さんが、そんな「ラブホの素敵が詰まった要素」をとにかく書き連ねるのが本連載。毎週1つラブホテルを訪れ、「素敵」をレビューします。「cakesクリエイターコンテスト20...もっと読む

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granat_san 単行本出てほしい。情緒ある。 約1ヶ月前 replyretweetfavorite