cakes読者のみなさま、こんにちは。
仕事仲間と、小さなカウンターの店で呑んでいたときのこと。塩して焼いただけでうまい野菜ナンバーワンはなんだろう、という話になりました。まあ多分1位は決められないけど、あれこれ考えるその時間がつまみになるパターン。
編集者N君は、薄切りしたカリフラワーをこんがり焼いて、仕上げに塩がいち押し。カメラマンS君は、玉ねぎを皮つきのまままるごとオーブンでじっくり焼いて、中がとろりとしたら食べる直前に塩がたまらないっすと。料理家のHさんは、アスパラか、そら豆をさやごとか、でも蒸し焼きにした蕪も捨てがたいと悩み、なかなか1番が決められない。するとその店のシェフが「僕はきのこかな……」と小さくつぶやいて、みんなはっと気が付きました。そうだ、きのこがあった、きのこじゃん! で、満場一致できのこが優勝、めでたしめでたし、とはならず(呑んでるので話は延々続く)、今度はどのきのこが1番かという、どうでもいいけど案外譲れない、酒呑みにピッタリのテーマをあーだこうだと話していました。
ということで、10月はきのこ。「舞茸とエリンギのフライパングリル、ガーリックバゲットのせ」をご紹介します。これ、拍子抜けするぐらい簡単で、つまりはただ焼くだけ。ですが、きのこって焼き方次第で食感が全然違ってくるんです。今回は、舞茸のカリッと香ばしい部分や、エリンギのジューシーさを楽しむ焼き方。
コツは唯一、触らないこと。炒め物のように、フライパンの中で混ぜながら炒めたりするのはナシ。きのこをフライパンに並べて塩を振ったら、ひたすら放置です。触っていいのは返す1回だけ。じっくりきのこの水分を飛ばしながら、時間をかけて焼く。こうすると、香ばしいカリカリの部分もできつつ、ジューシーな部分も生まれます。イメージの元は、きのこ狩りのあとの、きのこの炭火焼き。軽く焼いたバゲットは、お皿の代わりです。
じっくり焼いたきのこは、一体どこにこんなうま味があったのかと驚くほどに濃い味。さらににんにくをたっぷりこすりつけたバゲットに乗せて食べると、ワインが進んで悩ましいほど。食べる直前にレモンをぎゅっと絞って、酸味を足すのも呑めるポイントです。
では、パパッと作っていきましょう。
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「舞茸とエリンギのグリル、ガーリックバゲットのせ」
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