ある程度の収入を得ている独身者は消費意欲も旺盛だ。野村総合研究所の調査では、年収500万円以上の30~50代独身男性は、品質がよかったり好みのものであれば価格が高めでも購入するとの回答が際立つ。また同年代の独身女性は、レクリエーションや趣味といったプライベートの充実への消費を増やしたいとの意向が強い。こうした消費力のある独身現役世代やシニアの増加とともに「おひとり様」ビジネスが拡大中だ。
こだわりや趣味性の高い消費分野の代表格に挙げられるのが旅行だが、このところ旅行業界でも「一人」がキーワードになっている。JTBは昨年11月、一人旅専用の海外パックツアーを発売した。スリランカやネパール、ケニアなど、個人では行きにくい「秘境」エリアばかり15カ所を目的地に設定。現地ガイド付きでホテルは一人部屋が確保され、参加者が一人しかいなくてもツアーを実施する。50~60代男性を中心に反応がよく、4月以降は目的地を増やす予定だ。
また、国内旅行向けに一人旅専用の旅館・ホテル予約サイトも昨年12月に立ち上げた。食事の場所を宿泊部屋とは別に設けて一人客を受け入れやすくしている温泉旅館や、1名用の料金を設定する高級旅館が増えており、一人旅の選択肢は増えてきた。独身者だけでなく、一人で気ままな旅をしたいというニーズを積極的に取り込もうとしている。
シングル男性もマンション購入に意欲
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。