堺市堺区「溝畑酒店」「平野屋精肉店」―気ままな「ガシ」の空気を感じて飲む酒

東京で生まれ育ち、数年前に大阪に転居したライターのスズキナオさんが、大阪をはじめとする味わい深く個性豊かな酒場の数々や酒にまつわるエピソードなどを通じて関西の土地や文化と出会う。『深夜高速バスに100回くらい乗ってわかったこと』も話題の”ウェブライターの真打ち”が満を持して「酒と関西」に向き合います! 大阪市に次ぐ大阪第2の都市、堺市の活気溢れる町について。(毎週水・土更新)

堺でのフェス

「GEZAN」というバンドが主催する屋外フェス「全感覚祭」に2年続けて遊びに行った。その「全感覚祭」というフェスは、もともとは東京の多摩エリアの方で2014年から開催されていたのが、回を重ねるごとに動員数を増やし、2017年からは関東と関西の2か所で開催されるようになった。

私が行ったことがあるのは大阪会場の方で、2017年、2018年と参加した。会場は南海電車の堺駅近くにある「堺ROUTE26」というイベントスペースやその周辺エリアで、かつての堺港が「堺旧港」として残されているその湾岸に野外ステージが設営され、それ以外にも近隣の複数のスペースがライブ会場になっていて、参加者はタイムテーブルに沿ってその辺りを回遊しながらあちこちで音楽が楽しめる。

野外ステージは見た目にも手作り感満載で、そのステージ上で演奏する「渚にて」を潮の匂いのする風が吹く中で見た時の感動が記憶に残っている。

大阪市の南にある堺市まで私が足を延ばしたことはそれまでほとんどなく、2018年の「全感覚祭」に遊びに行った流れで会場に来ていた友人と堺東の駅前まで飲みに出かけた時、町の大きさに驚いた。

後になって調べてみれば堺市は大阪市に次いで人口の多い政令指定都市で、仁徳天皇陵をはじめとした「百舌鳥・古市古墳群」が観光の目玉になっていて、堺東はその堺市最大の繁華街で、と色々わかってくることはあるのだが、DIY感あふれる郊外の祭りという感じだった「全感覚祭」から堺東の繁華街の広がりへと一気に目の前の景色が変わった時のインパクトが大きくて、堺と言えば湾岸の景色の中にふいに現れる大都市、といったイメージが今もずっと頭の中にある。

堺東の酒場街

堺東駅前からすぐに広がる「堺銀座通り商店街」を歩き回ってみると、居酒屋がやたらたくさんある。特に、細い路地に立ち飲み店が密集しているエリアを見た時はクラクラと目まいがした。

一度冷静になって店を選ぶべく立ち飲みエリアから離れた方へ歩いていくと、入口にビールケースがうず高く積み上げられた「溝畑酒店」という店があり、その見た目からして名店の予感。まずはここに入ってみることにする。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
関西酒場のろのろ日記

スズキナオ

東京で生まれ育ち、数年前に大阪に転居したライターのスズキナオさんが、大阪をはじめとする味わい深く個性豊かな酒場の数々や酒にまつわるエピソードなどを通じて関西の土地や文化と出会う。『深夜高速バスに100回くらい乗ってわかったこと』も話題...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

ymkkym 溝畑酒店のビールグラス欲しい。「大阪府小売酒販組合連合会」って書いてあるのかな? 約1ヶ月前 replyretweetfavorite

comantako 「海鮮炊き合わせ」の字だけで一杯飲める。 約1ヶ月前 replyretweetfavorite