【登場人物】
清田隆之
桃山商事・代表
1980年生まれの文筆業
森田雄飛
桃山商事・専務
同じく1980年生まれの会社員
ワッコ
桃山商事・係長
1987年生まれの会社員
生理中のセックスにまつわる誤解
清田 桃山商事の恋バナ連載、今回も引き続き「生理」をテーマに語っていきます。
森田 今日は、生理とセックスにまつわるエピソードを紹介していきたいなと。
ワッコ これはいろいろありそうですね。
森田 ニコ生番組に寄せられた投稿では、「生理中に性行為を迫られ『生理中だから』と断ったら、『タオル敷けば大丈夫だから』とベッドが汚れるかどうかの心配しかしていなくてゲンナリした」というのがあった(「こっぽ」さん、20代前半)。
清田 「生理中だから」という言葉が、相手の男性には「汚したら悪い」という気遣いや遠慮にしか聞こえていないということだよね。
ワッコ そこじゃねえよ!っていう。
清田 昔集めた男性からの意見には、「生理のときもセックスはするけど、シーツが汚れるから自分の部屋ではなく彼女の部屋でするようにしている」というものもあった。
ワッコ ゲスすぎる。
森田 「ビニールシートの上でして悲しくなった」という女性からの声も寄せられました。
ワッコ マグロ解体ショーみたいで切ないですね……。
森田 一方で、男性が生理のときのセックスをしたがらないという話も聞く。
ワッコ 生理だから絶対にセックスしちゃダメってこともない気がするんですけど、医学的にはどうなんですかね?
森田 前にも紹介した『月経のはなし - 歴史・行動・メカニズム』(武谷雄二、中公新書)という本には、生理期間中に「してはいけないこと」は何もないと書かれていた。病気や怪我ではないので、本人の体調さえ問題なければセックスもしてはいけないことではないようです。ただ、膣内が普段よりデリケートな状態になっていて性感染症などのリスクが高まるため、慎重になるべき行為であることは確かで、少なくとも感染症や望まない妊娠予防のためのコンドームはマストだし、何よりも女性の体調ファーストで考えるべきことなのかなと。
清田 「血が出ているということは女性器に傷がついていて、セックスをするとその傷口を広げてしまうんじゃないか」みたいな誤ったイメージを持っている男性も少なくないように思う。自分にもそういう感覚で捉えていた節が確実にあったし。
ワッコ もちろん体調が悪い日に男性から強要されるのは論外なのですが、生理だと伝えたら「セックスはだめだね」って言われて、「これくらいの量なら全然大丈夫なのに!」みたいになることもある気はします。
森田 男性側が、生理だからできないと勝手に決めつけるのも違うってことだよね。
ワッコ わたしの友人で、性に奔放な「アバちゃん」という女性がいるんですけど、彼女は生理中にクンニされたのが一生で一番興奮したと言ってました。
清田 どういうこと?
ワッコ 「敏感になってるから気持ちがよかったんじゃないか」と分析してました。アバちゃんの数ある性行為の中でのトップが生理中のクンニだとしたら、無視できないと思うんです。「人生いろいろ、生理もいろいろ」だなと。
生理に興奮する男性もいる
ワッコ 稀にですが、生理に興奮する男性もいますよね。だいぶ前の話なんですけど、仕事で知り合ったカメラマンの男性に「作品を見てほしい」と言われてセンター街のプロントで打ち合わせをすることになったんです。そしたら会うなり、「ワッコさんのハメ撮りを撮りたい」と言われて。わたしはその時28歳だったんですけど、「脱げるのは今だけだよ」みたいなことも言われました。今のうちにハメ撮りした方が絶対いいよって。
森田 どういう理屈なの!? 百歩譲ってヌードならまだわかるけど、ハメ撮りはその人がセックスしたいだけって感じがする。
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