彼女はタバコを吸っていた。
iQOSじゃなく紙タバコ。
「身体に悪いからやめなって言う奴が嫌い」
呑み会の場で場をしらけさせる一言をはなった。 彼女に視線が向く中。
「お金の無駄だからやめな」
僕はそう言っていた。
口が勝手に開いていた。
全員の視線がこちらに向く中、彼女は咳き込んで大笑いしていた。
それから仲が良くなりお互いかまいあうようになった。 彼女を馬鹿にしたり、僕を馬鹿にしてくる。
こんな関係が楽しかった。
好意はあった。最初から。男として見られてないのが悔しくて、彼女の特別になりたかった。
彼氏じゃなくてもいい、僕を、ちゃんと見て欲しかった。
それから遊ぶことも多くなり、二人で旅行に行くことになった。
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