第4章 決断の痛みを踏み越えよう vol.1 「考える」と「悩む」は違う

感情は物事を複雑にしてしまう。つきまとう迷いを断ち切って進むためには、自分の頭で下す決断が必要になる。自分の頭で考えるために必要な条件は自立していること。堀江さんの自立に関するエピソードをご紹介します。 11月5日(火)に発売される堀江貴文さんの書き下ろし単行本『ゼロ——なにもない自分に小さなイチを足していく』の内容を、cakesでいちはやくお届けしていきます。

苦しいからこそシンプルに考える

 シンプル・イズ・ベスト。
 これは僕の信条とも言える言葉だ。ビジネスの決裁からプライベートでの買い物まで、僕は何事も即決即断で決めていく。かなり大きな予算の動くプロジェクトであっても、打ち合わせの現場でポンポンと結論を出していく。ひとつの熟考よりも三つの即決。そんな生き方、働き方が僕を支えてきた。
 おかげで、こんなふうに聞かれることも多い。
「堀江さんって、悩むことはないんですか?」
 それこそコンピュータのように、機械的なジャッジを下しているように映るのだろう。
 もちろん、僕だって普通の人間だ。心臓に毛が生えているわけではないし、感情的になることもあれば、どうすればいいのかわからなくなることだってある。小学生のころには友達と喧嘩ばかりをして、かんしゃくを起こしては机を投げ飛ばしていた人間なのだ。とてもコンピュータのように冷静沈着ではない。
 ただ、僕は自分が感情的な人間だからこそ、身にしみてよく知っている。
 感情で物事を判断すると、ロクなことにならない。ましてや、感情で経営するなんて言語道断だ。
 経営者となって以来、僕は感情で物事を判断しないよう、常に自分をコントロールしてきた。感情が揺らぎそうになったときほど、理性の声に耳を傾けた。悩むことをやめ、ひたすら考えることに努めてきた。そう、多くの人は混同しているが、「悩む」と「考える」の間には、決定的な違いがある。

 まず、「悩む」とは、物事を複雑にしていく行為だ。
 ああでもない、こうでもないと、ひとり悶々とする。わざわざ問題をややこしくし、袋小路に入り込む。ずるずると時間を引き延ばし、結論を先送りする。それが「悩む」という行為だ。ランチのメニュー選びから人生の岐路まで、人は悩もうと思えばいくらでも悩むことができる。そしてつい、そちらに流されてしまう。

 一方の「考える」とは、物事をシンプルにしていく行為である。
 複雑に絡み合った糸を解きほぐし、きれいな1本の糸に戻していく。アインシュタインの特殊相対性理論が「E=mc2」というシンプルな関係式に行き着いたように、簡潔な原理原則にまで落とし込んでいく。それが「考える」という行為だ。

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ゼロ—なにもない自分に小さなイチを足していく

堀江貴文

「誰もがゼロからスタートする。失敗してもゼロに戻るだけで、決してマイナスにはならない。だから一歩を踏み出すことを躊躇せず、前へ進もう」――なぜ堀江貴文さんは、逮捕されてすべてを失っても希望を捨てないのか?  彼の思想のコア部分をつづる...もっと読む

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コメント

Amplil 「「悩む」とは、物事を複雑にしていく行 為だ。」とあるが、 それならボクは悩むをしている。→ 2年以上前 replyretweetfavorite

nongara47 堀江氏はやっぱ賢いなと→「悩む」と「考える」の間には決定的な違い~「悩む」は物事を複雑にしていく行為。「考える」は物事をシンプルにしていく行為https://t.co/ZNR6EweoWN「過去にとらわれず、未来におびえず、今を生きろ」http://t.co/56RdZqYlbO 3年以上前 replyretweetfavorite

okasurferatsush グッとくる言葉 悩むことは物事を複雑にする。 考えることは物事をシンプルにしていく。 「考える」と「悩む」は違う| 3年以上前 replyretweetfavorite