買ってくれる人、買ってくれない人の違いは何か?
世の中には、なぜかよくわからないが自社の商品を買ってくれる人とそうでない人がいる。この「なぜかよくわからないが」という違いが明らかになれば、その差をうまくコントロールすることで買ってくれる人を増やすこともできるはずだ。
これまで思いもしなかった「その差をうまくコントロールする方法」のことをこの連載では「裏ワザ」と表現する。
たとえば特定の広告を目にしたかどうか、というだけの差で自社商品の購買率が何十パーセントも違うというのであれば、その広告をより大々的に投下することで大きな売上の増加が見込まれるかもしれない。
友人に紹介された経験があるかどうか、という差が大きな影響を見込まれるのであれば、既存顧客に対して友達紹介キャンペーンを展開してみればいい。
職場の近所に店舗があるかどうかという差が、自宅の近所に店舗があるかどうかという違いよりも重要だったとすれば、チェーンの出店戦略を改めてオフィス街中心の店舗展開を行なえばいい、というケースだってあるだろう。
こうしたことは、ビジネスに関わっているほとんどの人が日常的に考えている。ただし多くの場合、その着目すべき「差異」はデータや統計解析ではなく「経験と勘」といったものに基づく。「俺の経験によると、ほとんどの顧客は最初友達からの紹介で来店するんだ」といった具合に「違い」を判断し、経営戦略に活かすのである。
「あるある」は当てにならない
だが、経験はしばしば間違う。たとえば次のような「マーフィの法則」を聞いて、多くの人は「あるある」と思うかもしれない。
- にわか雨が降っているときに外出先で傘を買うと、たいていその直後晴れる。
- トーストを落とすと、いつもバターを塗った側が地面につく。
- たまたま遅刻しそうなときに限って、いつも電車が遅れる。