日本にいたときは、いつも何かに追われているようでした。いくら時間があっても足りない!って思っていました。
なのにマレーシアにきたら、やることはたいして変わらないのになぜか時間の感覚が変わり、自然を見たり、鳥の声を聞いたりする余裕ができたのです。
これはなんでなんでしょうか? 今日は考えてみました。
東京にいたときは、1日に3件も4件も予定を入れて、保育園と職場、家を忙しく移動していましたが、マレーシアではだいたい1日1件です。
なぜかというと、電車は遅れるし、渋滞はあるし、大雨もあるし、銀行のシステムがダウンしてることもあるから。すると、1日1件くらいが安全なのです。
11時集合と言われて、行ってみたら、時間には誰もいなくて、お茶を飲んでいるうちにようやく人々が集まってくる——そんなことが結構あります。
蕎麦屋の出前じゃないですが、遅刻の言い訳で「今向かってるところ」というのは定番フレーズ。一番初めにマレーシアに来て覚えた言葉が「On the way(今途中)」って人もいます。多少の遅刻で怒る人は滅多にいません。
こんな感じで、マレーシアでは、時間感覚が独特です。
実は沖縄でも「島時間」があり、のんびりしてるそうですから、国というより、南国特有のものなのかもしれません。
「予定」に関する感覚も独特で、約束していても、その日になって『やっぱりやめた』がよくあります。
そんなわけで、あまり先の予定を決めなくなりました。
その日のことはその日の気分でテキトーに決める、って感覚です。
南国も経済発展すると変わっていく
そんな私ですが、東京に戻った途端に、忙しい日々に逆戻りです。
そして面白いことに、南国でも経済発展している都会に近づくと、やっぱり忙しくしてる人が増えるのです。
あるマレーシア人はより経済発展しているシンガポールに移住して働いてるんですが、「シンガポールはマレーシアよりcepat dan sibuk(早くて忙しい)」とおっしゃるんですね。
マレーシアとシンガポールはもともと同じ国で、人口構成も似ています。経済が発展すると、なぜか人はどんどん忙しくなっていくようです。
マレーシアも、クアラルンプールなど都会には、時間にきっちりした人がどんどん増えてます。
また、マレーシアでも会社員は、日本と同様に自由が効かない人が多いです。長時間働く人もいて、忙しい都会の人がストレス解消するリラクゼーションサロンも花盛りです。精神病や自殺なども増えているようです。
ある方は「モノが増えれば増えるほど、人は忙しくなる」とおっしゃいました。なるほど。確かに田舎で何も遊ぶもの、買うものがないと、のんびりするしかない部分はあるかもしれません。
人に頼れると暇ができる
東京に行ったら、電車は時間通りに動くし、役所もキビキビ働いてるし、人も早く歩くし、時間はむしろできそうなものです。
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