どうも。 なんか急に涼しくなりましたよね、ビビるー。
歩いてたら急に、ヒュッと落とし穴に落ちたみたいな気温の下がり方よ。
もうー!言ってよー!…………って感じだよ。まったくもう。
まあ、そんな感じで(どんな感じや)行きましょうかゴー♪
私と余興~タンバリン芸との出会い~
これまで、ちょいちょい「宴会」だの、「余興」だのという単語を出してきたが、ここで、私の余興遍歴についてガッツリ且つざっと書いていこうと思う。
タカラヅカにおける宴会は、各組で様々だと思うが、当時の花組では、公演期間中に1回開催されていた。
幹事は新人公演を卒業した期、もしくは立候補。
余興の出演は近年余興を披露していない期、もしくは立候補、といった次第。
基本的には順番が回ってこない限り、そないに余興に出る必要はない。
だが、私は研究科3年生の頃からほぼ全ての宴会で余興を披露していた……
なぜなら………
「宴会」が苦手だったからだ。
「は?」と思った方もおられるだろう。
だが、宴会のあの、大人数の中で、誰かしらと最初こそワイキャイと話していたはずなのに、小一時間経つと話題が無くなり明日の天気の話とかしか話すことがなくなって、しまいには互いにスマホを見る……
みたいな状況になるのが、この世で一番恐ろしいことだと思っていた。
素の自分は、人と話しているときの沈黙に耐えられない人種なので、何者かになり切り、場を盛り上げたり、幹事として場を仕切っている方がすこぶるメンタル的に健やかだった。
そういったいきさつで、かれこれ余興は毎公演、幹事は2公演に1回は立候補していた。
お呼びでなくても勝手にいつも余興に出ていた。
自分の卒業公演も、「忙しいだろうから」とお気遣いいただいたのに、勝手に余興に出た。
とんだお祭り男(役)だった。
そのうち、天真=余興という立派な(?)方程式が定着した。
それからというもの、余興をやるフィールドは公演の打ち上げだけでなく、東京公演中の13時半/18時半の2回公演の間休憩時間に、「ワクワク大休憩」という特別枠を作るまでになった。
ここは新ネタ披露や、新人を発掘し、ウケが良かったら次の宴会のメインにするという、プレお披露目の場になった。
披露の場所が増えた私は常に新ネタを探していた。
そんな私に、上級生の方や下級生が沢山のネタ提供及び、ネタのリクエストをしてくれた。
その中に芸人・ゴンゾーさんの「タンバリン芸」があった。
見てみると、ゴンゾーさんの、表情は微動だにせず、タンバリンを打ち付ける瞬間にのみ発せられる熱に一瞬で引き込まれた。
これを男役として格好良く叩き鳴らせないか……?
この日から、ゴンゾーさんのタンバリン芸の研究が始まった。
(ちなみに、宝塚を卒業後、ゴンゾーさんご本人にお会いする事ができ、タンバリン芸へのリスペクトを熱く語らせていただいたことは一生忘れない最高の出来事だ)
最初に披露したのは、『カナリア』の東京公演の打ち上げだった。
公演で最も激しいナンバーに乗せ、一心不乱に叩き狂った。
ウケが良かったので、正式な【ネタ】として採用し、次の宴会のメインとして、タンバリンを使って激しく踊った。
今まで余興を披露してきた中で一番ハネた。
そこから、右手には必ずタンバリン。
鞄には、お財布、携帯、タンバリン。
東京への荷づくりする際も一番先に確認するのはタンバリン。
私とタンバリンは切っても切れない関係になっていった。
そのうち天真=タンバリンという立派な(?)方程式が定着した。
そんなある日………
トップスター・蘭寿とむさんのサヨナラ公演の東京公演開演前、 組長さんが「スマスマにタカラジェンヌがゲストで出演する」と発表した。
子供のころから毎週欠かさず見ていた大好きな番組。うわあー、誰が出るんだろ、観覧とかできるのかなあ、楽しみだなあ……と朗らかに聞いていると、組長さんが、
「なお、ゲストは96期以上です」
と告げた。
ま……? ワイ、入ってんじゃん!!!
キャアーまさか、出演できるなんて! あの、アイドルの中のアイドル、スマップさんに会えるなんて! おんなじ空間の空気吸えるなんて! やっば! やっほう!
(あ、でもガン見してたら不審だからさりげなくガン見しよう、そのためには……)
お話が終わり、皆が解散していく中、私は突然のパラダイス出現にテンションがアゲアゲ↑でバイブスいとあがりけりで誇大妄想に頭がフル回転していた。
そんなこんなで収録前日。
いよいよ明日お会いできるのね……と幸せに呆けていたところ、突然蘭寿さんに呼び出された。
蘭寿さんは人気のないところに私を連れ出し、
「明日、収録現場にタンバリン持ってきてね」
とこっそり耳打ちされた。
………なにゆえ?
え、何、ワイ、何すんの? もしかすると、もしかしたら……
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