わかる日本書紀

皇后の妹に恋する天皇【第19代⑥】

ややこしい日本書紀をわかりやすく紹介した書籍『わかる日本書紀』シリーズ第2巻から、日本の正史を学ぶ連載。今回は第19代、允恭天皇の御代のお話。

皇后の妹・オトヒメ②

★前回のお話→『妻の出産中に他の女と逢瀬…夫への怒りで焼身自殺未遂【第19代⑤】

八年二月、天皇は、藤原を訪れて、密かにオトヒメの様子を見ました。
その夜、オトヒメは天皇を恋しく思いながら一人でいましたが、天皇が来ていることを知らずに歌を詠みました。

我が背子が 来(く)べき夕(よひ)なり
ささがねの※1 蜘蛛の行ひ
※2 今夕(こよひ)著(しる)しも

(※訳
今夜はきっと 私の夫が来る夕べだ
蜘蛛の動きが 今宵は特に目につくから)

天皇はこの歌を聞いて、心打たれ、歌を詠みました。

ささらがた 錦(にしき)の紐を 解き放(さ)けて
数多(あまた)は寝ずに 唯一夜(ただひとよ)のみ

(※訳
細かく織った錦の紐を 解き開いて
幾夜もとは言わず ただ一夜だけ共に寝よう)

翌朝、天皇は井のほとりの桜の花を見て歌を詠みました。

花ぐはし 桜の愛(め)で
こと愛(め)でば 早くは愛でず 我が愛づる子ら

(※訳
美しい桜のめでたさよ
どうせ愛するなら 早く愛せばよかった
我が愛する姫よ)

皇后は、それを聞いて、またたいそう恨みました。

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わかる日本書紀

村田右富実 /つだゆみ /村上ナッツ

『日本書紀』は神代から第41代持統天皇の時代までを扱った日本最古の歴史書です。しかし本文は漢文、全30巻と長く読解は難しいため、正史ながら読んだことのある人はほぼいません。そこで、劇作家が書くわかりやすい文章と、親しみやすいキャラクタ...もっと読む

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