突然ですが、みなさんカレーは好きですか?
そして、カレーと一緒にどんなお酒を飲みますか?
カレーは日本人が大好きな料理の上位に長年入り続けている国民食です。三度の飯よりカレーが好きという方も多いでしょう。でも、お酒と合わせるのは意外と難しい食べ物でもあったりします。香りが強く、辛味が舌に刺激を与えるので、合わせて飲むと繊細なお酒の香りや味がわからなくなってしまうからです。なので、カレーを食べるときにはのどごしがさわやかなビールなどを飲む人が多いようです。
しかし、ここではっきり言いましょう。カレーと日本酒はとてもよく合う! この組み合わせを知らないのはもったいない!
そもそも日本酒はお米からできています。ご飯にかけて食べるカレーと、お米からできているお酒の相性が悪いわけはありません。うまく日本酒を選べば、これほど美味しい組み合わせはないのです。
一口に日本酒と言っても、さまざまなタイプの味があることは今までの連載でお伝えしてきました。そして同じように、カレーと言ってもさまざまなタイプがあります。
そこで今回は、タイプの違う3種類のカレーを用意し、それにはどんな日本酒を合わせたらいいのか、実際に試してみた結果を紹介したいと思います。「【第3回】ヨーグルト×日本酒!? コンビニのお菓子と合わせてみよう」と同じく、吉祥寺のにほん酒やさんにご協力をいただきました。
カレー3種×日本酒6種で相性を探る
お酒を合わせてみる、3種類のカレーは以下になります。
A)まろやか洋風カレー
最初に紹介するのはこちらのビーフカレーです。マイルドな味にしたてあげていて、いわゆる「洋風」のカレーを想像してもらうといいんじゃないかと思います。
B)辛口ペーストカレー
お次はナスとささみペーストのカレーです。先ほどのビーフカレーに比べると、少し辛めに仕上がっています。マイルドなカレーではなく、「辛い」カレーとの相性はどうなるでしょうか。
C)すっぱめスープカレー
最後はインドカレーです。南インドの豆とトマトのカレーで、インドのみそ汁のような存在のカレーで、すっぱさと辛さがある、すっぱ辛い味わいのカレーです。
カレーと合わせる日本酒は、前回の「ラベルの読み方のポイント」に沿って用意してみました。ちょっと復習になりますが、もう一度簡単におさらいしましょう。
1.「生酒」か「火入れ」か
「生酒」はフレッシュで華やかな香りや味わいになり、単体で飲むとインパクトがある。「生酒」と書かれていない「火入れ」のお酒は穏やかな香りで、食中酒に向いている。
2.「原酒」か「加水」か
「原酒」はアルコール度数も高く、濃厚な味わいになるが、飲み疲れに注意。「原酒」と書かれていない「加水」のお酒は、アルコール度数も15度ぐらいになり、すっきりとした味わいになる。
3.「
「生酛」や「山廃」は旨味や酸味が強く、燗酒にも向いた酒になる。「生酛」「山廃」と書かれていないお酒は、それほど酸味や旨味が強くない傾向の日本酒になる。
以上のことを念頭におきつつ、お酒を紹介していきます。
1)風の森 純米吟醸 しぼり華 露葉風(油長酒造・奈良県)
「生酒」で「原酒」のお酒です。甘みと酸味のあるフレッシュなお酒で、原酒ならではの濃さを持っているお酒です。甘酸っぱさがラッシーのようにカレーと好相性ではないかと思って用意してみました。
2)酉与右衛門 山廃特別純米直汲み生原酒 美山錦仕込み(川村酒造店・岩手県)
先頭の文字は酔ではなく酉に与という字なので、酉与という表記にしています。
「生酒」で「原酒」で「山廃」のお酒です。華やかな香りをもちつつ、酸がしっかりと感じられる、後味のいいお酒です。山廃で生原酒とカレーの相性を探ります。
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